交通事故の示談金と差し引かれる費用の仕組みとは?弁護士報酬・治療費・自賠責との関係を徹底解説

交通事故の示談金がまとまって支払われた後、「最終的に手元に残る金額が思ったより少ない」と感じた方は少なくありません。この記事では、弁護士費用や病院代が示談金からどのように差し引かれるのか、自賠責や任意保険の支払いとの関係をわかりやすく解説します。

交通事故の示談金の構成と支払いの流れ

示談金の総額には、慰謝料・治療費・通院交通費・休業損害などが含まれます。加害者側の任意保険会社が一括して支払いを行い、その後、弁護士報酬や立替えられていた治療費が差し引かれる仕組みです。

たとえば示談総額300万円の場合、そこから弁護士費用や未清算の医療費が控除された金額が実際の受取額となります。

自賠責保険と任意保険、医療費の精算関係

自賠責保険は、原則として先に医療機関へ直接支払われる仕組みです。つまり「自賠責から既に支払われた」と思っていても、実際には保険会社が立て替えていた可能性があります。結果として、その金額が示談金から差し引かれる形になります。

また、自賠責の上限を超える治療費は任意保険から支払われることになり、やはり最終的には示談金の中で精算されるケースが多いです。

弁護士費用と特約の有無による影響

弁護士費用については、自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯していない場合、示談金から直接支払うことになります。今回のように40万円が弁護士費用として差し引かれたのは、特約がなかったため適正な処理といえます。

もし特約があれば、通常は保険会社が弁護士費用を負担してくれるため、手元に残る金額が増えるメリットがあります。

YouTubeなどで語られる「高額示談金」とのギャップ

YouTubeなどの動画では「弁護士を入れて示談金〇〇万円!」という成功談が目立ちますが、実際に振り込まれる金額とは異なる場合があることに注意が必要です。

多くの場合、動画で紹介される金額は「総額」であり、そこから弁護士費用・未精算の医療費などを引いた金額が最終的な受取額となります。この点は説明されていないことが多いため、誤解しやすい部分です。

示談金から引かれる費用の内訳と確認のポイント

示談書には、支払総額・内訳・控除される金額などが明記されるのが通常です。示談書の控えを受け取り、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 治療費が含まれているか
  • 弁護士費用の詳細と計算方法
  • 自賠責支払いの有無と額

もし不明点があれば、弁護士に内訳の再説明を求めることも可能です。金額に不満がある場合は、交渉や見直しの余地があることもあります。

まとめ:示談金の理解で納得のいく解決を

交通事故の示談金から差し引かれる費用は、弁護士費用・治療費(自賠責や任意保険が対応)など多岐にわたります。弁護士費用特約がない場合や治療費が未精算の場合、手元に残る金額が少なく感じることもありますが、それは制度上適正であるケースがほとんどです。

納得できる示談のためには、示談金の「総額」だけでなく「手取り額」にも着目し、費用構造を把握することが大切です。

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