交通事故などで警察から「実況見分」に呼ばれた際、「印鑑をご持参ください」と言われることがあります。そのとき、ふと頭をよぎるのが「シャチハタでいいのかな?」という疑問です。この記事では、実況見分で必要とされる印鑑の種類や、なぜ印鑑が必要なのか、万が一忘れてしまった場合の対応まで詳しく解説します。
実況見分とは何か?なぜ印鑑が必要?
実況見分とは、警察が交通事故などの現場に当事者を立ち会わせて、事故状況や現場の状況を確認・記録する手続きです。警察はこの際に「実況見分調書」を作成し、当事者がその内容に間違いがなければ確認として印鑑を押すよう求められます。
つまり、印鑑はあくまで“同意”の証明として使われ、法律上の効力がある文書への署名押印にあたるため、重要な意味を持ちます。
シャチハタはNG?求められる印鑑の種類
結論から言うと、実況見分ではシャチハタは原則使用できません。理由は、シャチハタは「インク内蔵型のゴム印」で、印影が一定でなく、簡単に複製できるため「本人性の証明」としては不適切とされているためです。
警察や公的書類の手続きでは、次のいずれかの印鑑が推奨されます。
- 認印:一般的な三文判でOK。既製品でも問題なし。
- 実印:不要。ただし重要な調書などでは念のため用意しておくと安心。
そのため、持参すべき印鑑は「シャチハタ以外の認印」です。
万が一シャチハタしか持っていなかったら?
万が一、現地に行ってシャチハタしかないことが発覚しても、対応できることもあります。以下のようなケースが考えられます。
- その場で警察に事情を説明すれば、指印(指で印を押す)で代用できるケースも。
- 後日印鑑を持参するように言われるだけで済むこともあります。
- 身分証明書があり、本人確認がしっかりできればOKと判断されることもあります。
ただし、これはあくまでケースバイケースの対応で、現場の警察官の判断に委ねられるため、最初から認印を持参するのがベストです。
印鑑を忘れないための準備ポイント
初めて実況見分に立ち会う場合、不安や緊張から忘れ物をしがちです。以下のように事前に持ち物をチェックしておきましょう。
- 認印(朱肉で押すタイプ)
- 免許証などの身分証明書
- 事故当日のメモ(自分の記憶の整理に)
- 筆記用具
- 必要ならメガネ、帽子、スマホなども
実況見分は事故後の処理の中でも重要な手続きのひとつなので、印鑑ひとつでも事前準備が大切です。
まとめ:実況見分にはシャチハタではなく認印を
実況見分において、印鑑の持参は「調書の内容に同意した証」として求められるものであり、シャチハタは使用不可が原則です。
きちんと朱肉で押せる認印を持参し、スムーズに手続きを進めましょう。
もしシャチハタしか手元にない場合も、警察に丁寧に事情を説明することで対応できることもありますが、事前準備としての認印の持参が確実です。
事故後の手続きは精神的にも大変ですが、ひとつずつ落ち着いて準備することが大切です。