グループLINEで勝手に写真を投稿されたら違法?肖像権・プライバシー・名誉毀損の可能性をわかりやすく解説

スマートフォンが普及し、写真や動画を簡単に撮ってSNSやメッセージアプリに共有できる時代になりました。中でも「グループLINE」は身近なコミュニケーション手段の一つですが、そこに自分が写っている写真が許可なく投稿されることに不快感を覚える人も少なくありません。本記事では、グループLINEにおける写真の投稿が、肖像権やプライバシーの侵害、あるいは名誉毀損に該当する可能性について、法律の観点からわかりやすく解説していきます。

肖像権とは?勝手に写真を投稿されることの意味

肖像権とは、自分の姿や顔を無断で撮影・公表されない権利です。これは判例によって認められている「人格権」の一部で、他人が無断で自分の写真を公開すれば、権利侵害とされる可能性があります。

たとえば、ある友人が自分の写った写真を許可なくグループLINEに投稿した場合、それがたとえ内輪のグループであっても、肖像権侵害に当たることがあります。特に写っている本人が投稿に強く反対し、不快感を示している場合は注意が必要です。

プライバシー権との関係:どこまでが「プライベート」?

プライバシー権は、私生活をみだりに公開されない権利です。写真に写っている場所や状況、人物関係などが私的なものであれば、それを許可なく公開することはプライバシーの侵害にあたる可能性があります。

たとえば、ある人が自宅でくつろいでいる姿や、恋人と一緒にいる写真を無断で投稿された場合、それによって私生活の一部が他人に知られることになり、プライバシー権の侵害に問われる可能性があります。

名誉毀損との違いと該当するケース

名誉毀損は、事実であっても人の社会的評価を低下させるような情報を第三者に伝えることで成立する可能性があります。たとえグループ内だけの投稿であっても、参加者が複数人いれば「第三者への公表」と見なされる可能性があります。

たとえば、本人が変顔をしている写真や、不自然な編集を加えられた写真を「面白おかしく」投稿した結果、他の参加者が本人をからかったりするような状況になると、名誉毀損の可能性が高まります。

グループLINEでも「公」の場になり得る

グループLINEだからといって、必ずしも「私的空間」とは限りません。メンバーが多数いる場合や、知らない人が含まれている場合は「公の場」に近いと評価され、法的責任が問われるリスクが上がります。

たとえば、50人規模のサークルLINEグループで誰かのプライベート写真を無断で投稿すれば、私的空間ではなく社会的な影響力があると判断される可能性があり、より重く見られることになります。

違法とされる条件と、実際に争われた事例

無断投稿が違法とされるかどうかは、「撮影・投稿の目的」「写真の内容」「投稿の影響」「投稿者と被写体の関係」など、さまざまな要素が総合的に判断されます。

実際に、職場の飲み会の写真がSNSに投稿され、写っていた社員が名誉やプライバシーの侵害を訴えて慰謝料を請求した事例もあります。このようなケースでは、投稿された側が精神的苦痛を受けたかどうかも重要な判断材料となります。

写真を投稿されたときの対処法

まずは投稿者に対して、写真の削除を丁寧に依頼することが大切です。その際、肖像権やプライバシー権の観点から不快であることを伝えると、相手の理解を得やすくなります。

それでも削除に応じない場合や、悪質な投稿が繰り返される場合には、証拠を保存したうえで弁護士への相談や、プラットフォーム運営会社への通報なども視野に入れましょう。

まとめ:無断投稿は親しさに甘えない配慮が必要

グループLINE内での写真投稿は、気軽にできる反面、法的なリスクを伴う行為でもあります。特に肖像権やプライバシー権への配慮を怠ると、思わぬトラブルに発展することもあるため注意が必要です。

写真を投稿する際には、写っている人に許可を取る、相手が嫌がらないか確認するなどのマナーと配慮を忘れずに。日常の中の小さな気遣いが、大きなトラブルを未然に防ぐ鍵になります。

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