国際結婚の手続きで出生届を先に提出してしまい、子供の苗字が母親の姓になってしまった場合でも、後から父親の姓に変更する法的手段があります。本記事では、日本側・フランス側それぞれの手続きの流れと必要な具体例を解説します。
日本での苗字変更：家庭裁判所への申立て
日本の戸籍法第107条に基づき、出生届後に子供の苗字を外国人父親の姓に変更するには、家庭裁判所への申立てが必要です。役所では自動的な変更はできません。
手続きの流れは以下の通りです。
- 出生届提出後、戸籍謄本を取得
- 「氏の変更許可申立書」を家庭裁判所に提出（800円収入印紙＋切手必要） :contentReference[oaicite:0]{index=0}
- 審査後、約2週間～数ヶ月で許可され、「審判書」と「確定証明書」が発行 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
- 市区町村役所へ変更届を提出し、戸籍を更新
フランス人父の姓を希望する場合、理由（父親との同姓に統一したい等）を明記し、裁判所に判断を委ねます。
フランスでの対応：出生証明と名前の選択
フランスでは出生時に父母の姓、母、父両方または複合姓（ハイフン付き）を選択できます。出生届をフランスでも出す際、希望する名前を選んで記入します :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
出生登録後は原則変更できませんが、ハイフン姓を選択すれば、フランスで希望通りの苗字で登録できます。
日本→フランスの手続き流れ（具体例）
手順の一例。
- 日本で出生届・認知届を提出（期限は出生から3ヶ月以内） :contentReference[oaicite:3]{index=3}
- フランス大使館でフランスの出生届を提出し、複合姓など希望の名前で登録 :contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 日本で家庭裁判所に苗字の変更申立て（申請書作成・理由記載） :contentReference[oaicite:5]{index=5}
- 審判許可後に市区町村役所で氏変更届を提出
- 日本のパスポートやフランス国籍証明書を再取得し、戸籍・旅券等を統一
注意点と実例
・裁判所の判断には個別の事情が重視され、必ず許可されるとは限りません（子の福祉、慣習社会への影響など） :contentReference[oaicite:6]{index=6}。
・実例としてYahoo知恵袋では、“最短でも2か月かかる”とされており、複合姓よりも父親姓のみの方が許可されやすいとあります :contentReference[oaicite:7]{index=7}。
まとめ
出生届後でも、家庭裁判所への申立てにより日本の戸籍上の苗字を父親の姓に変更可能です。また、フランス側では出生時に複合姓などを選択しておくことで、フランス国籍上は希望の姓を押さえることができます。両国で手続きを進めれば、子供の苗字を両国とも父親の姓で統一する道が拓かれます。