道路を歩いていると、すれすれで通り過ぎる車にヒヤッとすることがあります。特に、車のサイドミラーが腕や肩に「ガツン」と当たるようなことがあると、「これって接触事故なの?」「警察に言っても意味あるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、こうしたケースにおける法律的な扱いや警察への相談の可否、実際に取るべき対応について解説します。
ミラーが歩行者に当たるのは「交通事故」になる?
結論から言うと、車のミラーが人の体に当たった場合、それは明確な「接触事故(人身事故)」と見なされる可能性があります。車両の一部であるサイドミラーも、車体の延長と見なされるため、物理的に接触していれば「接触=事故」と判断されることが一般的です。
例えば、ミラーが歩行者の腕に当たって痛みが残るような場合、運転手が気づいていなかったとしても、接触があったという事実は消えません。よって、交通事故として届け出ることが可能です。
歩道ではなく「白線内」でも歩行者は優先
白線内を歩いていた場合、それが歩道でなくても、法的には「歩行者が通行しても良いスペース」として認識されるケースがあります。特に路側帯(ろそくたい)や歩道状の構造物がある道路では、歩行者の安全が第一に考慮されます。
そのため、運転手には十分な側方間隔を空ける義務があります。これを怠って歩行者にミラーが当たれば、過失責任を問われる可能性があります。
警察に相談しても意味はある?届け出のポイント
ミラーが当たっただけでも、痛みが残ったり、違和感がある場合は交通事故として警察に届け出ることが可能です。届け出をする際には以下の点に注意してください。
- 日時・場所・状況をできるだけ詳細にメモ
- 車のナンバーや特徴を控える
- 可能であれば、目撃者の連絡先も確保
警察には「人身事故」として申し出ることができます。診断書を提出することで、より正確に状況を伝えることができ、正式な事故として記録される可能性が高まります。
診断書があると人身事故としての扱いに
仮にミラーが当たった際に腕に痛みや腫れがある場合、病院での受診を強くおすすめします。診断書があることで、警察は「物損事故」ではなく「人身事故」として処理する根拠ができます。
これは保険会社との交渉にも有効で、加害者側に過失が認められた場合には、治療費や慰謝料の請求も可能になります。
実例:ミラー接触事故が認定されたケース
2022年、大阪市で発生した事例では、通勤中の歩行者がミラーに腕をぶつけられ、整形外科で打撲の診断を受けたことで人身事故として認定されました。加害者は「気づかなかった」と主張していましたが、証言と診断書が揃っていたため、罰金と反則点が科されたとのことです。
このように、接触が小規模であっても事実として残しておくことで、後の救済を受ける道が開けます。
まとめ:ミラー接触も立派な事故。放置せず相談を
サイドミラーが体に当たる接触は、「事故」として十分に認識され得る重大な事象です。「当たったけど大したことない」と放置せず、体に異常があれば病院で診察を受け、状況をメモして警察に相談することをおすすめします。
事故は加害者・被害者双方に影響を及ぼします。正しい対応をとることで、自身の権利を守ることにもつながります。