交通事故に巻き込まれた際、納得できない過失割合を提示された経験のある方も多いのではないでしょうか。特に、相手が駐車場などから飛び出してきて追突された場合、「なぜこちらにも過失が?」と疑問に感じることも少なくありません。この記事では、そうした状況における過失割合の考え方、交渉の進め方、自賠責しか入っていない場合の注意点などを具体的に解説します。
駐車場からの発進による事故の過失割合とは
道路を直進している車に対し、駐車場や建物の出入口から出てきた車が接触する事故では、通常、発進側に大きな過失が認められます。多くの判例では、基本的に8:2〜9:1で発進側が重い責任を負う傾向があります。
ただし、こちらが動いていた以上、原則として「10:0」になることはほとんどなく、車両同士の位置関係やドライブレコーダーの記録なども総合的に判断されます。
相手が謝罪した場合の法的な効力は?
事故直後に相手が「自分が悪い」「修理費は払う」といった発言をしたとしても、それだけでは過失割合が法的に確定するわけではありません。あくまで保険会社の協議・判断、または裁判所の判断によって過失は決まります。
ただし、こうした発言は録音・メモなどで残しておけば、後の交渉材料や参考資料になる可能性があります。
納得いかない過失割合にどう対応すべきか
保険会社から提示された過失割合に納得がいかない場合は、まずはその根拠を詳しく説明してもらいましょう。その上で、ドライブレコーダーの映像や現場写真、目撃証言など、自分に有利な証拠を示すことが重要です。
また、保険会社同士の話し合いだけで進んでしまうことも多いため、自分でも根拠を調べ、必要であれば交通事故専門の弁護士に相談するのも一つの方法です。
自賠責のみ加入している場合のリスクと対応
任意保険に未加入の場合、自分の車の修理費は全額自己負担となる可能性があります。相手側が全額を支払ってくれればよいのですが、過失割合に応じた一部しか支払われないこともあります。
たとえば過失が2割認定された場合、損害の2割は自己負担です。また、弁護士費用特約も使えないため、法律的なサポートが受けにくいという点もリスクです。
実例:相手が飛び出してきた事故でも9:1止まり
実際に、駐車場から出てきた車に側面を当てられたケースで、ドライブレコーダー映像と相手の謝罪があったにも関わらず、過失割合は「9:1」とされた事例があります。
保険会社は「道路を走行中だった以上、直進側にも一定の注意義務がある」として、完全な0は認められませんでした。このように、動いている限り完全な無過失を主張するのは難しいというのが現実です。
有利な解決を目指すためのポイント
- 事故現場の写真・映像を必ず保存
- 相手の謝罪などの発言は記録(録音・メモ)
- 保険会社の過失判断の根拠を確認
- 納得できない場合は弁護士へ相談
- 今後のために任意保険加入を検討
また、相手保険会社と直接交渉する際には、感情的にならず、冷静かつ論理的に伝えることが大切です。
まとめ:自分を守るには記録と冷静な交渉が鍵
駐車場からの飛び出しによる事故では、直進していた側が完全に無過失とならないケースが多くあります。納得できない過失割合が提示されたときこそ、冷静な情報整理と記録、そして必要に応じた専門家への相談が重要です。
事故後の対応次第で結果が大きく変わる可能性もあります。トラブルを最小限に抑えるためにも、今後の備えとして保険や記録の重要性を改めて意識しておきましょう。