信号が黄色に変わるタイミングでの交差点は、交通トラブルが起きやすい場面のひとつです。特に、右左折しようとした車と、直進を強行する車が接触した場合、どちらにどの程度の過失があるのか悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、黄色信号時の交差点における交通事故の過失割合の考え方や、実例を交えて解説します。
黄色信号は「止まれ」ではなく「安全に停止できなければ進行可」
道路交通法では黄色信号の意味を「停止位置を越えて進行してはならない。ただし、停止位置に安全に停止できない場合を除く」と定義しています。つまり、安全に止まれるのに進行する行為は違反に近い状況です。
そのため、直進車が黄色信号を無視して突っ込んできた場合、右左折車から見ても「無理に進んできた」と受け取られることがあり、過失割合の議論につながります。
右左折車 vs 直進車の過失割合は基本ルールがある
通常、交差点内の事故では直進車が優先されるため、右折車が直進車に接触した場合は「右折車の過失8:直進車の過失2」となるのが基本です。
ただし、直進車が信号無視や明らかに危険な運転をしていた場合、この割合は修正されることがあります。たとえば、黄色信号になって明らかにブレーキを踏めるタイミングで直進した場合、直進車の過失が加重される可能性があります。
黄色信号での強引な進行がある場合の過失修正例
実際の判例や保険会社の対応では、次のような過失割合の修正が行われることがあります。
- 右折車8:直進車2 → 黄色信号での強引な直進があった場合 → 右折車7:直進車3
- 直進車が赤信号無視だった場合 → 右折車3:直進車7まで逆転
交通状況や信号の変わり方、現場の見通しなどを元に、総合的に判断されるのが実情です。
ドライブレコーダーの映像が判断材料として有効
こうした微妙な状況では、ドライブレコーダーの有無が勝負を分けることもあります。信号の色や車の動き、減速の様子などが記録されていれば、過失割合の交渉に強い根拠を持たせることができます。
保険会社に提出する際も、編集せず、できるだけ事故直前からの映像を提示することで、交渉が円滑に進むことがあります。
過失割合で揉めないためのポイント
・黄色信号では無理に交差点に入らない
・事故後は速やかにドライブレコーダーの映像を保存
・目撃者がいれば連絡先を聞いておく
・信号の切り替わりや速度を説明できるように整理しておく
このような備えがあることで、交差点事故後の保険交渉や警察の事情聴取でも立場を明確にできます。
まとめ:黄色信号の交差点事故は過失の判断が分かれやすい
交差点での事故は、その場の信号状況や双方の動きによって過失割合が大きく変わります。特に黄色信号は微妙なタイミングが多く、トラブルに発展しやすい部分です。
無理な進行を避け、記録をしっかり残すことが、自身を守る第一歩です。