交通事故後に会社員からフリーランスへ転向した場合の休業損害と後遺障害等級12級の補償を徹底解説

交通事故の被害者が、治療中に会社を退職しフリーランスへ転向した場合、補償の内容がどのように変わるのか気になる方は多いのではないでしょうか。この記事では、休業損害の計算方法や後遺障害等級12級に認定された際の基礎収入の算定について、具体例を交えて詳しく解説します。

会社員からフリーランスに転向した場合の休業損害の算定

休業損害とは、事故によって本来得られたはずの収入が得られなかったことに対する補償です。会社員時代の実収入が算定の基準になることが多く、退職後しばらくはその収入水準をもとに損害額を計算することができます。

フリーランス転向直後は収入実績がないため、会社員時代の収入実績を証明する源泉徴収票や給与明細が重要な証拠となります。事故からの期間が短ければ、事故がなければそのまま勤務を継続していたとみなされる可能性が高く、休業損害の請求に有利です。

フリーランス転向後の「休業の証明」はどうする?

フリーランスの場合、明確な勤務時間が存在せず、欠勤や休業の証明が難しいという課題があります。これに対応するには以下の資料が有効です。

  • 事故前後の収入の減少を証明する売上台帳・確定申告書
  • 通院スケジュールと業務実績の乖離を示す記録
  • 業務依頼を辞退した記録やメール

損害保険会社や裁判所は、「事故がなければ得られていた利益」の証明を求めるため、実際に収入が減少した事実を示すデータを重視します。

後遺障害等級12級の基礎収入はどう決まる?

後遺障害の慰謝料や逸失利益の算定に使われる「基礎収入」は、原則として以下のいずれかの方法で判断されます。

  • 事故前年の実際の年収(源泉徴収票や確定申告書で証明)
  • 事故直前の職業と年齢に基づく賃金センサス
  • フリーランス転向後の収入見込み(実績がある場合)

質問者のように会社員時代の収入が賃金センサスより低い場合、賃金センサスの方が有利な基準となる可能性もあります。ただし、裁判での採用には正当な理由付けが必要です。

会社員からフリーランスへの転職を迷っている方へのアドバイス

転職のタイミングによって補償額が大きく変わる可能性があるため、症状固定や後遺障害認定後に転職するのが望ましいケースもあります。特に賃金センサスや会社員時代の収入が損害算定に有利な場合は慎重に判断しましょう。

また、交通事故に詳しい弁護士に相談することで、最適な行動計画を立てることが可能になります。

実例:フリーランス転向後の補償で争った事例

ある事例では、事故後に退職しフリーランスとなった被害者が、収入実績の減少をExcel台帳や売上明細で丁寧に提示し、休業損害と逸失利益の両方が認められたケースがあります。

一方、確定申告をしていなかったことが原因で、損害が認定されなかった事例もあります。フリーランスに転向する場合は、帳簿の整備と証拠の保存が非常に重要です。

まとめ:転職のタイミングは慎重に、補償の知識はしっかりと

交通事故後に会社を退職しフリーランスに転向する際は、補償金額に大きな影響を与える要素が多く存在します。休業損害や後遺障害慰謝料の算定には、事故当時の職業、収入、証明資料が大きく関わるため、事前に準備と相談を怠らないことが重要です。

将来の不利益を回避するためにも、弁護士や行政書士などの専門家に早めに相談し、計画的に行動しましょう。

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