交通量の多い都市部では、車両同士のヒヤリとする瞬間が日常的に発生しています。特にバイクとタクシーとの接近場面では、判断ミスやマナーの悪さが事故やトラブルに直結する可能性があります。今回は、四車線から一気に一車線へ移動しようとしたタクシーと、接触寸前となったバイクの実例をもとに、交通ルールや対応策について考察します。
交通ルール：複数車線の一括変更は可能か？
道路交通法第26条により、車線変更は安全が確認されている場合に限り行うことができます。また、一気に複数車線を跨いで変更することは、原則として安全義務違反に問われるリスクがあります。
特に、歩道にいる乗客に気付き、急な車線変更を行うことは非常に危険であり、法的にも問題となる可能性があります。
ウィンカーの使用タイミングと安全確認義務
車線変更を行う際のウィンカー点灯は、変更する3秒前には行うことが義務づけられています（道路交通法施行令第21条）。
これを怠った場合、合図不履行による反則行為とされる可能性があります。タクシーが急に方向指示を出したのであれば、十分な注意喚起とは言えず、過失の有無が問われるケースになりえます。
写真撮影の法的問題：プライバシー侵害か？
公道での写真撮影自体は違法ではありませんが、無断で個人の顔やナンバーを撮影し、それをネットなどに公開した場合はプライバシー権の侵害や名誉毀損に該当する可能性があります。
また、タクシー乗務員が会社に報告するためであれば合理性がありますが、私的利用や嫌がらせ目的であれば別問題となります。心配な場合は事実確認のためにもタクシー会社またはタクシー協会へ連絡しましょう。
事故には至らずとも相談すべき先とは
今回は実際の接触や損害がなかったとしても、重大事故一歩手前であった場合は、次のような相談先があります。
- タクシー会社の代表番号
- 各都道府県のタクシー協会
- 消費者ホットライン（188）
- 国土交通省「タクシー利用に関する相談窓口」
苦情内容が乗務員の運転マナーや態度に関するものであれば、記録（日時・場所・ナンバー）をもとに問い合わせることで、内部処分が行われる場合があります。
トラブル回避の心構えと記録の重要性
万が一のために、スマホなどで現場の状況・ナンバー・運転手の言動などを記録しておくと、証拠としての価値が高まります。
また、可能であれば目撃者がいる状況やドライブレコーダー映像なども残しておくと、トラブル解決時に有利に働きます。
まとめ：小さなヒヤリも適切に対応して再発防止を
今回のように事故には至らなくとも、不安や不快感を感じた場合には正当な苦情として申し出ることは大切です。
安全運転の意識を高めることにつながり、タクシー業界全体の信頼性にも寄与します。交通ルールの理解とともに、冷静な対応力を持って自分の身を守りましょう。