運転中に右折レーンへ早めに進入した結果、白色のセンターラインを跨いでしまった…という経験はありませんか?その行為が違反になるのかどうか、正しく理解しているドライバーは意外と少ないかもしれません。本記事では、白線を跨いだ通行と道路交通法の関係を解説しながら、安全運転のための注意点もご紹介します。
センターラインの種類と意味を再確認しよう
道路に描かれているセンターライン(中央線)は、黄色と白色で意味が異なります。黄色の実線は「はみ出し禁止」、白の実線は「進路変更を避けるべき場所」という意味を持ちます。つまり、白の実線であっても、絶対的に禁止されているわけではありませんが、原則として慎重な運転が求められています。
たとえば、見通しの悪いカーブ手前や交差点の付近など、事故防止のために白実線が用いられていることが多いです。こうした場所でのレーン変更や進路逸脱は、安全確認を怠っていると見なされ、違反となる場合もあります。
右折レーンへの早すぎる進入と違反の可能性
右折専用レーンに入る際、まだレーンが始まっていない位置でセンターラインを跨ぎながら進入してしまうと、「通行区分違反」に問われる可能性があります。通行区分違反は、道路標示や標識に従わずに進行した場合に適用される違反です(道路交通法第20条)。
さらに、センターラインを越えて対向車線に大きくはみ出した場合は、「道路の中央から右側の部分にはみ出して通行することの禁止」(道路交通法第18条)に抵触し、「逆走」とみなされる可能性もあるため注意が必要です。
警察官が「逆走」と判断する理由
実際の取り締まりでは、白線の種類や道路状況によって判断が異なりますが、警察官が「逆走」と表現する場合、単にセンターラインを越えて対向車線を走行した事実に基づいていることが多いです。これは厳密な法律用語ではなく、あくまで「反対車線に進入した行為」に対する一般的な表現です。
そのため、違反としては「通行区分違反」や「通行帯違反」が正式に適用されるケースが多く、反則金や違反点数もそれに応じて科されます。例えば、通行区分違反は普通車で反則金6,000円・違反点数1点となります。
実際の違反事例と判例に学ぶ
東京都内でのあるケースでは、運転者が右折レーンを早めに使おうと、センターラインをまたいで進入したところ、対向車とニアミスが発生。警察により通行区分違反で検挙されました。現場の交差点は見通しが悪く、事故のリスクが高い場所とされており、注意義務違反として処理されました。
また、別の事例では、地方裁判所において「安全確認を怠ったセンターライン越え」は道路交通法違反に該当するとの判決が下され、罰金刑が科されたケースもあります。
安全運転のポイント:適切なタイミングでの車線変更を意識
右折レーンに入る際は、道路の破線や矢印などの標示に従い、指定された位置から進入することが重要です。早めに進入しすぎると、周囲の車両に不安を与えたり、接触事故につながるおそれもあります。
また、レーン変更の際は必ず目視とミラーで安全確認を行い、急な進路変更は避けるよう心がけましょう。運転補助のための「車線逸脱警報」などを活用するのも一つの手です。
まとめ:白センターライン越えはケースにより違反になる
白センターラインを跨いで右折レーンに早めに進入する行為は、条件によっては「通行区分違反」や「逆走」とみなされることがあります。たとえ白線であっても、道路標示の意味を正しく理解し、安全運転を心がけることが大切です。
違反かどうかは状況次第であり、警察官の判断にも左右されるため、不安がある場合は事前に道路構造を確認する、またはドライブレコーダーで証拠を残すといった対応も有効です。