フィクションの世界ではしばしば登場する「ハニートラップ」や虚偽の性的被害申告ですが、現実でも実際に起こり得る問題です。特に冤罪や名誉棄損など重大な人権侵害に発展する可能性があり、法的・社会的な備えが求められます。本記事では、もしそのようなトラブルに巻き込まれた場合の法的対応や考え方について解説します。
虚偽の性的加害の主張は犯罪にあたる可能性がある
事実でないにもかかわらず、誰かが性的な加害を主張し、その証拠をねつ造する行為は、刑法上の虚偽告訴罪（刑法172条）や名誉毀損罪（刑法230条）に該当する可能性があります。
例えば、自分から相手に身体的接触を促し、それを盗撮して脅迫する行為は、強要罪（刑法223条）や脅迫罪、プライバシーの侵害に該当することがあります。虚偽を前提とした証拠を使って他人を操作することは、決して許されるものではありません。
父親が弁護士だった場合、擁護は可能か？
親が弁護士であっても、倫理的・法的に問題のある行為を無条件に擁護することはできません。弁護士には日本弁護士連合会が定める弁護士倫理規程が適用されており、明確な虚偽や違法行為を知りつつ加担した場合、懲戒処分の対象となることもあります。
ただし、親として子を守ろうとする感情と、法的にどう振る舞うべきかという職業倫理の間で葛藤するケースは、実務でも稀に見られます。
冤罪を防ぐためにできる自己防衛策
このようなトラブルに巻き込まれないためには、以下の点に注意が必要です。
- 密室に2人きりで長時間いることを避ける
- 録音・録画の機能があるスマートフォンで記録を残す
- 後から誤解を招くような状況を作らないよう意識する
また、相手が不自然に誘導するような言動をした場合は、その場から離れるなど冷静な判断が重要です。
もし被害に遭ったときの法的対応
万が一、実際に虚偽の告発や脅迫を受けた場合には、次の対応を取るべきです。
- 弁護士に速やかに相談：刑事告訴や名誉毀損の損害賠償請求などの判断を仰ぐ
- 警察への相談：脅迫・強要などの被害が明確な場合は証拠を持参して届け出る
- 証拠の保全：LINEやメール、録音データなどは削除せず保管しておく
法的に自分の身を守るには、早めの専門家介入が非常に重要です。
フィクションと現実の境界を理解する
漫画やドラマでは誇張された描写が多くありますが、それが現実でも通用するとは限りません。とはいえ、現代社会ではSNSなどを通じて冤罪や誤解が拡大するリスクも増しています。
現実世界で同様の問題に直面した場合、冷静に事実と証拠を整理し、専門家に相談することが最も大切です。
まとめ：虚偽の主張への対抗策は法律で守られている
現実にも起こり得る「でっち上げ」のリスクに対しては、刑法や民法などで対抗できる法的手段が存在します。被害に遭ったと感じた場合は、自分を責めるのではなく、法に基づいた正当な対処をとることが第一歩です。そして何より、身の回りのリスクに気づき、無用なトラブルを避ける行動が重要です。