自転車と歩行者の接触事故は、たとえ軽微なものであっても法的責任や今後のトラブルを避けるために正しい対応が求められます。事故の直後に相手が立ち去った場合でも、報告の有無が後の処理や保険に大きく影響することがあります。本記事では、事故後に警察へ報告すべきかどうか、どのようなケースで通報が重要なのかを法律的観点から整理します。
軽微な事故でも警察への報告は必要か？
自転車と歩行者の接触事故は「交通事故」として扱われます。相手にけががなかったとしても、交通事故証明を取得するためには警察への届け出が必要です。
また、事故直後に「大丈夫」と言われても、後になって症状が出てきたり、第三者に相談して態度が変わることもあります。したがって、その場で相手が立ち去った場合でも、自己防衛のために通報して記録を残すのが望ましいです。
報告をしなかった場合のリスク
警察への報告を怠ると、以下のようなリスクが生じることがあります。
- 交通事故証明が発行されないため、任意保険の適用ができなくなる
- 後日、相手が被害を主張した場合に証拠が残らず不利になる
- 重大事故として扱われた場合、報告義務違反に問われる可能性も
たとえば、相手が後から「むち打ちのような症状が出た」と主張し、慰謝料を求めてくることもあります。その際に警察記録がないと、不利な立場に置かれる可能性があります。
実例：通報を怠ったことによるトラブル
以前、ある学生が自転車で歩行者に軽く接触し、当初は「大丈夫」と言われたため報告しなかったものの、1週間後に相手から「医療費と慰謝料を請求された」というケースがありました。
このケースでは、保険会社に相談しても事故証明がないため補償対象外となり、全額自費負担となってしまいました。
事故後に相手が立ち去った場合の対応
今回のように、相手がその場から去ってしまった場合でも、次のような対応を取るべきです。
- すぐに警察（110番）に通報し、事情を説明する
- 接触した日時・場所・状況・相手の特徴などをできるだけ詳しく記録する
- 近くの防犯カメラや目撃者がいないか確認
これにより、万が一後からトラブルになっても「正しい対応をした証拠」が残ります。
保険会社にも連絡しておこう
事故後は、自分が加入している自転車保険や個人賠償責任保険の窓口にも連絡を入れましょう。事故証明の有無が支払いに影響しますが、連絡しておくことで対応の相談に乗ってもらえる場合があります。
警察と保険の双方への連絡は、自分を守るための基本行動と認識しましょう。
まとめ：事故後の正しい行動が後のトラブルを防ぐ
たとえ軽微で相手が無傷、しかもその場を去ったとしても、事故の報告は必要不可欠です。警察に連絡しておくことで、あなた自身の立場を守る証拠となり、後のトラブルを未然に防ぐことができます。
自転車事故は誰にでも起こりうることです。いざというときに冷静に行動できるよう、日頃から対応手順を理解しておきましょう。