ある日突然かかってきた不審な営業電話。発信元は大手企業を名乗り、なぜか別の会社の商品を紹介される――。こうした状況は被害に遭っていないとはいえ、違和感と不安、そしてモヤモヤした気持ちが残るものです。今回は、類似の経験をした方に向けて、こうした電話の正体や心理的な対処法について解説します。
企業を名乗る不審な電話の正体とは?
近年では、実在する企業の名前を語って架空の営業をかける手法が横行しています。とくに大手企業の会員情報をもとにしたような口ぶりで信頼させ、実際は他社の商品を勧めるケースもあります。
今回のように公式には「発信していない」と否定される場合、次の可能性が考えられます:
- アウトソーシングされた外注業者による営業
- なりすましによる悪質な勧誘
- 第三者が名簿を不正に使用している
いずれにしても、企業側に発信履歴がなければ正規ルートではないと判断されるのが一般的です。
なぜ自分の電話番号が知られている?
長年利用している通販会社であれば、名前や連絡先を把握しているのは当然ですが、それが正当な形で使われているとは限りません。企業からのデータ提供がなくても、以下のような形で情報が漏れることがあります。
- 名簿業者による不正流通
- 懸賞・キャンペーン応募による情報提供
- 古い契約や注文履歴の外部利用
自覚がなくても、過去に「情報を共有する」としたサービスに登録した経験が影響している可能性もあります。
企業対応が淡泊に感じたときの見方
問い合わせに対して企業が「調査いたします」と言わなかったことに不満を感じるのは自然です。ですが、企業が発信していないことを確認していれば、余計な不安を煽らないよう冷静に対応することもあります。
「調査いたします」という文言は、逆に「調査義務があると認めた」と取られるリスクがあるため、慎重に言葉を選んでいるケースもあります。法人対応には法的リスク管理が伴う点も理解すると少し納得しやすくなるかもしれません。
モヤモヤした気持ちを整理する方法
心の整理には「納得できる行動をとる」ことが有効です。以下のようなアクションをおすすめします。
- 消費者庁や通信事業者の不審電話通報窓口に報告
- 着信履歴を保存し、不審番号リストに登録
- 同様の体験談をSNSや掲示板で共有
また、「誰かに話す」「紙に書く」「体を動かす」など物理的なアクションもストレスの発散に役立ちます。日記に書いたり、軽いジョギングをしたりするのも効果的です。
次に備えるための防御策
今後の対策として、以下のような方法を取り入れると安心です。
- 迷惑電話対策アプリをインストール
- 信頼できる番号しか出ないよう設定
- 企業の個人情報の利用方針を定期的に見直す
通販会社やサービスに登録する際には、プライバシーポリシーで「第三者への情報提供可否」を明示しているかを確認しておくことも大切です。
まとめ:気持ちに寄り添う行動で不安を軽減
不審な営業電話は、たとえ実害がなくても精神的に負担がかかるものです。企業対応に納得できなくても、情報を客観的に受け止め、自分なりに「できること」をしていくことで気持ちの整理がついていきます。
誰かに相談したり、情報共有をすることで孤立感を解消し、冷静な判断と行動につなげていきましょう。