車同士の軽い接触事故であっても、相手が後から大きなケガを主張するケースは珍しくありません。特に、相手が業務中のバス運転手やタクシー運転手といった職業ドライバーである場合、保険対応が複雑化することも。本記事では、軽微な事故で想定外の主張をされた場合の対応策を、実例とともに解説します。
よくあるケース:接触は軽度でも後日重症を主張される
接触時にはお互いに「ケガはない」と認識していたにもかかわらず、翌日に病院へ行き、突然「全治6ヶ月」と診断されるというトラブルは現実に起こっています。
このような主張がなされた場合、警察や保険会社も対応に苦慮しますが、最終的には医師の診断書の有無が保険上の判断材料になります。とはいえ、それが本当に事故によるものかの因果関係が問われることも。
保険会社が「10:0」と判断する背景とは?
多くの場合、後続車が前の車に接触した際には過失割合は後続車に不利に働くことが一般的です。「止まると思わなかった」は通用せず、「安全な車間距離を保つ義務」が問われるためです。
ただし、前方車両の急な減速や停止が危険運転にあたると判断されれば、過失割合が変動する可能性もあります。この判断は警察の実況見分やドラレコの有無が大きく影響します。
相手が職業ドライバーの場合の保険対応の特徴
バスやタクシーの運転手など、仕事で車を使っている人が事故相手の場合、休業損害や後遺障害の認定が絡む可能性があります。保険会社としても支払額が高額になりやすく、慎重な対応を取る傾向があります。
一昔前は、こうした職業ドライバー側の保険会社が強気な交渉をしてくることもありましたが、現在はドラレコやAI分析の導入により、より客観的な資料に基づいた判断が求められるようになっています。
納得できない診断書への対処法
「そんな軽い接触で全治6ヶ月はおかしい」と思った場合、以下のような対応を取りましょう。
- ドラレコ映像を保険会社へ提出する
- 警察の実況見分調書を確認する
- 相手の診断内容に異議がある旨を保険会社に申し立てる
- 必要に応じて法的助言を得る(弁護士特約などの利用)
なお、診断書を鵜呑みにしない姿勢も大切です。中には「事故に便乗して長期の治療を主張する」ケースもあるため、保険会社との連携が不可欠です。
感情的にならず冷静な対応を
相手に対して「ぶちのめしてやりたい」という気持ちが芽生えるかもしれませんが、冷静な対応こそが解決への近道です。以下の点を心がけましょう。
- 保険会社とのやりとりは書面または録音で記録
- 相手方と直接交渉せず、すべて保険会社を通す
- 事実を冷静に整理して伝える
保険交渉は時に長期戦になるため、感情を抑える力も重要なスキルとなります。
まとめ:軽微な接触でも大きなトラブルに発展する可能性あり
たとえ軽く擦っただけの事故でも、相手の申告や診断結果によっては大きな問題に発展することがあります。特に、相手が職業ドライバーの場合は保険会社の対応もシビアになりがちです。
万が一に備え、ドラレコの装着や事故後の記録保存を日頃から徹底しておきましょう。そして何より、保険会社との連携を密にし、冷静に事実を伝えることが最善の対応です。