追突事故で保険を使うべきか?2割過失のケースで知っておきたい判断基準と保険の影響

自動車事故の過失割合が少ない場合、保険を使うかどうかの判断は非常に悩ましいものです。特に「2割の過失」であれば、支払う自己負担が少ないため、保険を使わずに済ませた方がよいのではというアドバイスを受けることもあります。この記事では、そのような状況において、実際に保険を使うべきか否かを、損得の視点と保険制度の仕組みから解説していきます。

保険を使うと等級が下がる仕組み

任意保険(特に車両保険や対物賠償保険)を使うと、基本的には翌年度からの等級が3等級下がり、保険料が大幅に上昇します。また、その影響は3年間継続します。

たとえば、事故を起こす前に20等級だった場合、翌年は17等級に下がり、さらに事故有係数が適用されることで保険料が数万円〜十万円以上上がることもあります。

2割の過失でも保険を使うケースはある

事故の修理費や相手方の請求が高額になる場合は、2割の過失であっても保険を使った方が金銭的に得をする場合もあります。

例えば、修理費用が50万円で2割が自己負担(10万円)とすると、自己負担だけで済ませると保険等級は下がりませんが、保険を使えば10万円の支払いを回避できます。ただし、その代わりに保険料が年間3〜5万円上がると、結果的に3年間で15万円以上の追加支払いになる可能性があります。

保険を使わない方がよいとされる典型例

修理費や支払額が10万円未満で、かつ将来的に保険料が上がることでトータルコストが高くなる場合は、保険を使わない方が合理的です。車検業者や保険代理店が「保険を使わない方がいい」と言うのは、このようなコスト計算を念頭に置いている場合が多いです。

ただし、そのアドバイスが常に正しいとは限らないため、自分自身で見積書と保険会社からの説明を比較検討することが大切です。

保険を使う前に確認したいこと

  • 保険を使った場合の等級ダウンと保険料の増加幅
  • 自己負担額と修理・賠償額の見積もり
  • 示談交渉が必要かどうか(保険を使うと保険会社が対応してくれる)
  • 保険会社との相談結果と補償の内容

これらを比較することで、客観的に損得を判断できます。特に高額な修理が見込まれる場合や交渉が煩雑な場合は、保険を使うことが精神的にも有利となることがあります。

実際の事例:保険を使わずに後悔したケース

あるドライバーは、2割の過失で自己負担が8万円程度だったため、保険を使わずに対応しました。しかしその後、相手方とのトラブルが長引き、法的対応が必要となり、結果的に弁護士費用などで十数万円を支払う羽目に。

逆に、別のケースでは保険を使い、等級は下がったものの、補償で40万円近い支払いをカバーでき、トータルで得をしたという声もあります。

まとめ:個別判断が重要。まずは試算と相談を

「2割の過失なら保険を使わない方がいい」という一律のアドバイスには注意が必要です。損得は事故内容・修理費・等級によって大きく異なります。

最も重要なのは、保険会社と必ず試算・相談すること。そのうえで、将来の保険料の変化と現在の負担額を比較し、自分にとってベストな選択をしましょう。

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