自己破産手続き中にクレジットカードの支払いが口座から引き落とされてしまった場合、そのお金は返金されるのでしょうか？多くの人がこのようなケースで不安を感じると思います。本記事では、実際に引き落とされた場合の法的な位置づけや、返金の可能性、具体的な対応方法について解説します。
自己破産手続きの開始と口座引き落としの関係
自己破産は裁判所への申立てを行った時点で「支払い停止」が原則となりますが、現実には申立てから債権者（カード会社など）へ通知が届くまでタイムラグがあります。
この間に自動引き落としが実行されると、債権者側はその引き落としが「債権回収にあたる違法な行為」とされる場合があります。ただし、債権者がそのタイミングを知らずに引き落とした場合は、悪意があるとはされません。
引き落とされたお金は返金されるのか？
結論からいえば、返金される可能性はあります。ただし、以下の条件を満たすことが前提となります。
- 破産申立てが完了しており、その時点での引き落としであること
- 引き落とされた金額が破産財団に帰属する資産であると判断されること
- 弁護士がカード会社に対し返還請求を行うこと
このような場合、カード会社によっては自主的に返金に応じることもあります。
弁護士への相談と対応の流れ
このようなケースでは、自己判断で動くよりもすぐに破産手続きを担当する弁護士に連絡してください。弁護士が対応することで、法的根拠に基づいて適切に交渉を進めることが可能です。
特に重要なのは、「破産管財人が選任されるかどうか」「既に破産手続開始決定が出ているかどうか」など、手続きの進行状況により対応方法が異なる点です。
同様の事例：返金されたケースの紹介
たとえば、破産手続き申立てをした翌日にカード利用分が自動引き落としされた事例では、弁護士の介入によりカード会社が返金に応じたケースがあります。
ただし、破産申立て前の引き落とし分は返還請求できないのが原則です。この点については、時系列を正確に把握しておくことが重要です。
今後の再発防止策
- 破産申立てを行う前に、すべての自動引き落としの停止手続きを行う
- カード会社に対して速やかに破産予定である旨を通知
- 引き落とし口座に資金を残さない工夫をする
また、弁護士と連携をとりながら、裁判所の公式サイトや自己破産に関する支援団体のガイドラインも参照するとよいでしょう。
まとめ
自己破産手続き中にクレジットカードの引き落としがあった場合、返金の可能性は十分にありますが、法的な整理が必要です。
まずは弁護士に速やかに相談し、状況を正確に伝えましょう。そのうえで、返金手続きや今後の対応を協議することが大切です。