ブランド品を買取店に持ち込み、査定のうえ現金を受け取った後、突然「本社判断で返金をお願いしたい」と言われたら、多くの人が戸惑うことでしょう。特にそのお金を既に生活費などに使ってしまっている場合、どう対応すべきか悩むのは当然です。この記事では、そのようなケースに直面した際の法的観点や対応策についてわかりやすく解説します。
買取成立後の「キャンセル依頼」は法的に認められるのか?
一度合意のもとで買取契約が成立し、金銭の授受が完了した場合、基本的には契約が「成立」しており、業者側の都合で一方的に契約を撤回することは原則として認められません。民法においても、当事者の合意があった売買契約は尊重されます。
例外として、「商品が盗難品であると判明した」「明らかな虚偽申告があった」など、重大な瑕疵(欠陥)があると認められる場合には、契約の無効や取り消しが主張されることもありますが、それを立証する責任は主に業者側にあります。
実際にあった類似ケースのトラブル事例
例えば東京都消費生活センターには、「ブランドバッグを15万円で買い取ってもらったが、2日後に『査定ミスだった』と連絡があり返金を求められた」という相談が寄せられています。
このケースでは、契約時に特別な取り決めがなかった限り、消費者に返金義務はないと説明されています。また、強引な返金要求や圧力をかけられた場合は、消費生活センターや警察に相談するよう助言されています。
業者からの返金要求に応じるべきかの判断基準
- 契約書やレシートの内容に「再査定の可能性」「後日取り消しの可能性」が明記されているか
- 商品に問題(偽造品や規約違反等)があったか否か
- 店舗側が明確な説明や書面による正式な要求を提示しているか
これらを踏まえ、合理的な理由がなければ返金に応じる必要はありません。また、店舗が強制的に返金を迫る場合は違法行為となる可能性もあります。
消費者が取るべき行動と相談先
もし返金を強く求められ不安を感じる場合は、以下のような公的機関へ相談しましょう。
- 国民生活センター:局番なし188(いやや)で最寄りの窓口へ
- 市町村の消費生活センター
- 弁護士による無料法律相談
また、やり取りの記録を残すために、会話はできる限り書面やメールで行うことも重要です。
買取契約における法的ポイントまとめ
- 買取契約は成立すれば基本的に取り消し不可
- 業者都合による返金要求には応じなくてよい場合が多い
- 不安な場合は消費者相談機関へ連絡を
- 契約内容を証明するレシート・記録は大切に保管
まとめ:冷静に判断し、必要に応じて第三者機関へ
ブランド品の買取後に突然返金を求められた場合、焦って対応するのではなく、契約内容を確認し、業者側の要求が正当かどうかを見極めることが重要です。
正当な理由が示されておらず、明らかに消費者に不利益な一方的返金要求であるなら、毅然とした態度で対応し、必要に応じて第三者機関に相談することをおすすめします。