交通事故による怪我のリハビリ通院において、「過剰通院」とみなされることを心配される方も少なくありません。特に週に複数回の通院となると、保険会社とのトラブルを避けるためにもその基準を理解しておくことが大切です。今回は、手首の靭帯損傷を例に、通院頻度がどのように評価されるのかを具体的に解説していきます。
過剰通院とは？保険会社の視点から
過剰通院とは、医師の指示や一般的な治療期間に比べて明らかに通院頻度が高く、医療行為としての必要性が乏しいと判断されるケースを指します。特に自賠責保険や任意保険の支払いを前提にした場合、通院の妥当性が厳しく見られます。
保険会社は、医療の客観的妥当性や症状の重さ、通院内容をもとに「支払いの範囲内か否か」を評価します。
週3〜4回の通院は過剰とされるか？
週3〜4回の通院が即「過剰」と判断されるわけではありません。たとえば、痛みが強く、医師の診断書がある場合や、可動域の改善が見込まれる電気治療を受けている場合などは、ある程度の頻度が必要とされることもあります。
ただし、長期間にわたって同じ頻度で通院を続けた場合、「漫然治療」と判断されるリスクがあります。
手首の靭帯損傷における一般的な通院期間
手首の靭帯損傷のリハビリは、軽度なら2〜4週間、中度で2〜3ヶ月、重度の場合は半年以上に及ぶこともあります。初期は頻回の通院が必要でも、改善に伴い徐々に頻度を減らしていくのが通常の流れです。
医師の指示がないまま継続して高頻度で通院を続けると、「必要以上」と見なされるリスクが高まります。
整骨院・接骨院での治療は注意が必要
柔道整復師の施術（整骨院・接骨院など）は医師の治療とは異なり、保険会社によっては制限を設けるケースがあります。特に「毎日でもOK」と言われた場合でも、保険会社が「医学的根拠がない」と判断することがあります。
そのため、可能な限り医師の同意や診断書に基づいて通院を行うのが望ましいです。
保険会社とトラブルにならないためのポイント
- 治療頻度は医師の指示を元に計画的に
- 通院記録・治療内容はしっかり保存
- 保険会社との連絡内容も控える
- 必要に応じて弁護士に相談
医師から明確な指示がない場合は、法テラスなどの無料法律相談を利用してアドバイスを得るのも有効です。
まとめ：過剰通院を避けるには適切な根拠と記録が鍵
週3〜4回の通院が即「過剰」と判断されることは少ないですが、医師の指示や症状の記録が不十分な場合はリスクが伴います。しっかりと治療目的を持ち、記録と説明ができる体制を整えることで、後々のトラブルを回避することができます。
ご自身の回復を第一に考えながら、必要に応じて専門家にも相談して安心できるリハビリ生活を送りましょう。