不倫≠不貞。その違いと「慰謝料命令」に至った判例を弁護士が解説

不倫と不貞はしばしば混同されますが、法律的には異なる概念です。本記事では“不法律上の責任”の観点から解説し、判例を交えて整理します。

不倫と不貞、何が違う?

不貞とは、配偶者以外との肉体関係を持つこと。これに対して不倫は「夫婦の平穏を乱す関係全般」を指し、肉体関係がなくても対象になり得ます:contentReference[oaicite:0]{index=0}。

不貞行為があれば配偶者および相手に対し、民法709条に基づき損害賠償(慰謝料)請求が可能です:contentReference[oaicite:1]{index=1}。

不貞行為による損害賠償請求の法的根拠

民法709条は「故意または過失によって他人の法律上保護される利益を侵害した者は賠償する責任を負う」と定めています。既婚者が不貞行為を行うとこの利益が侵害されるため、不法行為が成立します:contentReference[oaicite:2]{index=2}。

最高裁昭和54年3月30日判決は「肉体関係があれば罪となる」と、不貞行為の慰謝料請求を肯定しました:contentReference[oaicite:3]{index=3}。

「不倫」だけでも慰謝料になるケース

肉体関係がないケースでも、夫婦の平穏を乱す行為があれば不法行為成立の可能性があります。例えば密会、深夜の接触、高価贈与などが対象となることがあります:contentReference[oaicite:4]{index=4}。

判例が証明する慰謝料命令の存在

事例 判決金額 概要
東京地裁 平成元年10月10日 約220万円 職場上司との不倫で婚姻破綻、慰謝料命令:contentReference[oaicite:5]{index=5}
東京地裁 平成25年1月23日 約330万円 子あり関係、不貞継続で高額に:contentReference[oaicite:6]{index=6}
東京地裁 平成22年10月7日 約400万円 継続的な不貞、不倫相手に命令:contentReference[oaicite:7]{index=7}

「不倫=不貞ではない」請求可能かどうか

不倫(肉体関係なし)で慰謝料を認めた判例はありますが、直接「判例での賠償命令」を探すのは難しい傾向です。

ただし、夫婦の平穏を害する行為が立証できれば不法行為にあたり、慰謝料請求の根拠になります:contentReference[oaicite:8]{index=8}。

どうやって判例を調べる?

司法書士や弁護士に相談し、判例データベース(LEX/DBなど)で「民法709条」「不法行為」「慰謝料」「肉体関係なし」で絞り込み検索することが近道です。

まとめ

不倫=不貞ではありませんが、肉体関係なしでも婚姻生活への侵害がある場合は損害賠償請求の対象になります。判例も多数存在し、法的対応できるケースもあるため、専門家に相談すると安心です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール