走行中に前方車両がポイ捨てしてきたら?法的責任と正しい対応方法を解説

運転中に前を走る車からタバコやゴミが投げ捨てられ、それが自車に当たってしまった……そんな危険な状況に遭遇した場合、相手に法的責任を追及できるのか、どう対応すべきかを知っておくことは大切です。今回は、交通マナー違反が引き起こすトラブルについて、実例と法律の観点から解説します。

道路交通法とポイ捨て行為の違法性

道路交通法第71条には「安全運転義務」が規定されており、故意に危険な行為を行った場合は違反行為に該当します。また、ゴミの投げ捨ては「軽犯罪法第1条27号」に該当し、刑事罰の対象になる可能性もあります。

さらに、都道府県の環境美化条例などでも路上投棄は明確に禁止されている場合が多く、地域によっては過料の対象になることもあります。

車に損害が発生した場合の民事責任

捨てられたタバコが塗装を焦がしたり、フロントガラスに傷が付いた場合は、器物損壊として刑事上の責任も問える可能性があります。

民事では、不法行為(民法709条)に基づき、修理代の請求や慰謝料を求めることも可能です。ただしそのためには、相手の車両のナンバー・証拠映像などの客観的な証拠が不可欠になります。

現場での正しい対応方法

トラブルを避けつつ適切に対処するため、以下の対応が望ましいです。

  • ドライブレコーダーの映像を確保(音声も有効)
  • 状況をメモし、日時・場所・車種・ナンバーを記録
  • 無理に停車させず、安全な場所で警察に通報(110番)
  • 警察には「危険運転による物損被害の疑い」として通報

追いかけて相手を無理に止める行為は、逆に自分の危険を招く恐れがあるため避けましょう。

保険対応の可否と相談窓口

相手の過失が明らかであっても、ポイ捨てによる損傷については自動車保険ではカバーされないケースもあります。特約の内容や免責額によって対応が異なるため、保険会社に速やかに連絡し確認することが重要です。

また、国民生活センター警察相談専用電話(#9110)などの相談機関も利用すると心強いです。

実際のトラブル事例

たとえば、あるドライバーは、高速道路で前の車からタバコを投げられ、それが車体に当たって塗装が焦げたことで警察に通報。ドライブレコーダーの映像と目撃者の証言により、相手に損害賠償が認められたというケースがあります。

このように、証拠がそろえば法的手段も現実的であることを知っておくと安心です。

まとめ:冷静な行動と記録がカギ

車からのポイ捨ては違法であり、状況によっては民事・刑事両方の責任が発生します。トラブルを防ぐためにも、ドライブレコーダーの設置や被害時の正しい行動を事前に知っておくことが大切です。

無理に相手を止めるのではなく、証拠を残し警察に通報する冷静な対応を心がけましょう。

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