最近、電力自由化に伴ってさまざまな電力会社が個別に契約変更を勧誘するケースが増えています。とくに「このマンションの方は全員変更しています」といった案内で不安をあおり、個人情報を記入させる手口も報告されています。本記事では、そうした訪問勧誘に対して個人情報を渡してしまった場合の対処法や、安心するためのポイントを詳しく解説します。
訪問営業で個人情報を書いてしまったらまず確認すること
訪問営業の際に氏名・電話番号・住所・お客様番号などを書いてしまった場合でも、すぐに契約が成立しているとは限りません。契約には「申込」と「承諾」の意思表示が必要であり、単に情報を提供しただけでは足りないことが多いのです。
ただし、口頭で契約内容に「はい」と答えてしまったり、相手が録音をしている場合には証拠として扱われることもあるため注意が必要です。
電話をかけ直して「契約しない」と伝えた効果
相手から契約に関する電話がかかってきたあと、すぐに「契約はしません」と明言した場合、その意思表示は非常に重要です。とくに録音されていれば、「承諾の撤回」として有効に扱われることがあります。
万が一、相手がその後に勝手に契約を進めていたとしても、消費者契約法や特定商取引法に基づいて取り消し可能な場合があります。
万が一、契約されてしまった場合の対処法
以下のような手順で対処しましょう。
- まずは契約書や確認書類が届いていないか確認
- 届いていたら書面の受領日から8日以内であればクーリング・オフが可能
- 書類が届いていない場合も、消費者センターに相談
- 電力会社のサポート窓口に「契約無効の申し立て」をする
また、総務省や消費者庁の「訪問販売トラブル相談窓口」も活用できます。
再発防止のためにできること
このようなトラブルを防ぐため、以下の対策が有効です。
- 訪問営業は玄関先で契約しない
- 書類を見せられてもすぐに記入しない
- 「その場で決めない」旨を明確に伝える
- 不審な場合は会社名と担当者名をメモしておく
電力会社の切り替えは自由ですが、信頼できるルートを通じて比較・検討するのが安全です。たとえば「電力比較サイト」や公式のカスタマーサポートを活用する方法もあります。
実際の相談事例と教訓
東京都在住のAさんは、エビス電力と名乗る営業から「全員変更してますよ」と言われ、書類に個人情報を記入。その後、電話で「契約内容の確認」とされる案内を受けましたが、すぐに「やっぱり契約しない」と伝えました。
後日、契約完了の通知が届いたため、消費生活センターを通じて申し立てを行い、契約は無効と認定されました。このように、毅然とした態度で早期に行動すれば、問題は回避できます。
まとめ:契約意思がなければ冷静に撤回を
訪問営業で個人情報を書いてしまっても、すぐに契約が成立するわけではありません。「契約の意思がない」ことを明確に伝えることで防げるケースがほとんどです。万が一、契約されてしまっても、法的に取り消す手段があり、泣き寝入りする必要はありません。
不安がある場合は、国民生活センターなどへ相談することで、より具体的な対応策が得られます。