近年、脱毛サロンの契約に関するトラブルが増加しています。中でも「中途解約時の請求金額が高すぎる」といった相談が多く寄せられています。この記事では、特定商取引法に基づく中途解約のルールと、サロンとの交渉のポイントを解説します。
脱毛サロンの契約は「特定継続的役務提供」に該当
脱毛サロンなどのエステティックサービスは、特定商取引法第48条における「特定継続的役務提供」に分類されます。これは、契約期間が1ヶ月超かつ5万円を超える場合に適用される規定で、消費者保護の観点から中途解約時の手数料の上限が定められています。
この法律により、解約時にサロンが請求できる金額は最大5万円または残額の20%のいずれか低い方とされています。
実際に請求された金額が6万2000円の場合
仮に支払い総額が30万円であった場合、解約時に未消化分が20万円残っていたとすれば、サロンが請求できる上限額は以下のように計算されます。
- 20万円 × 20% = 4万円
- 上限5万円と比較し、低い方(4万円)が適用される
つまり、6万2000円という請求額が法的上限を超えている可能性があるのです。これは明らかに特定商取引法違反の恐れがあり、返金を求める余地があります。
消費者センターに相談するメリットと効果的な伝え方
実際に消費生活センターへ相談し、法的な根拠を持ってサロンに伝えることが重要です。交渉の際は、以下のように伝えてみましょう。
「契約を中途解約しましたが、請求された金額が特定商取引法の規定(第48条)に反している可能性があるため、上限金額である5万円または残額の20%以内に訂正をお願いします。」
既に全額支払ってしまった場合でも、返金請求が認められるケースもあります。やり取りは必ず文面に残し、記録を保存しておくと安心です。
返金交渉の具体的なステップ
- 契約書や明細を確認し、残金・消化分を計算する
- 請求金額と法的上限(5万円または残額の20%)を比較
- サロンに正式な文面で訂正を依頼
- 返金に応じない場合は、消費生活センターや弁護士に相談
特に全国の消費生活センター(188番)は無料で相談に乗ってくれるので、初動対応として非常に有効です。
よくあるサロン側の反論とその対応方法
サロン側から「契約時に説明しました」や「規約に同意済みです」と言われることがありますが、法律に反した規約や説明は無効です。
また、消費者に不利な一方的な規定が契約書にあっても、特定商取引法に基づき無効とされる可能性が高いため、毅然とした態度で対応しましょう。
まとめ:法的知識を持って正当に交渉を
脱毛サロンの中途解約において不当な高額請求があった場合は、特定商取引法を根拠に主張し、必要に応じて第三者機関を活用することが重要です。
感情的にならず、事実と法律をもとに冷静に対応すれば、返金の可能性も十分にあります。少しでも不安がある場合は、消費者センター(全国の窓口はこちら)へ早めの相談をおすすめします。