ドタキャンは犯罪になる?法律と損害賠償の境界線をわかりやすく解説

食事や美容室、イベントの予約などでの突然のキャンセル、いわゆる「ドタキャン」。一部では「犯罪では?」と疑問視されることもあります。本記事では、ドタキャンが法律上どのように扱われるのか、犯罪になるケースや損害賠償の可能性についてわかりやすく解説します。

ドタキャンは刑法上の「犯罪」ではないのか?

基本的に、ドタキャンそのものは刑法上の「犯罪」には該当しません。刑罰を科すには詐欺罪や威力業務妨害罪など、故意性悪意があることが求められます。

たとえば、予約した時点で行く気が全くなかった場合や、キャンセルによって業務を妨害する目的があった場合などは、詐欺罪や業務妨害罪として問われる可能性がゼロではありません。

民事では損害賠償の対象になる?

ドタキャンは、民法に基づく「契約違反」や「不法行為」に該当する場合があります。とくに飲食店や美容院などでは、キャンセルによって明確な売上損失が発生するため、損害賠償請求が行われることも。

たとえば、コース料理を予約し、当日無断キャンセルしたことで材料費や席が無駄になった場合、損害が明確に算定できるなら、請求されるリスクは十分にあります。

実例紹介:裁判にまで発展したケース

2020年、福岡県の居酒屋が、30人規模の団体予約を当日キャンセルされたことに対し、損害賠償請求(約12万円)を提起し、裁判所が一部認める判決を出した事例があります。

また、美容室では「度重なるキャンセルにより1日分の営業が無駄になった」として損害請求を予告する張り紙を出すなど、社会的な問題として注目されるケースもあります。

業種別:ドタキャンによるリスクの違い

業種 影響度 損害賠償の可能性
飲食店(コース予約) 材料費・席確保による損害で高い
美容室・エステ 技術者の拘束時間に応じて請求の可能性
イベント・講座 中~高 キャンセルポリシー次第では全額請求も

キャンセルポリシーの有無が大きなポイント

ドタキャンが問題になるかどうかは、事前にどのようなキャンセル規約(キャンセルポリシー)が設定されていたかにも大きく左右されます。

明文化されたキャンセルルールがあり、それに基づいて損害賠償請求された場合、支払い義務が発生する可能性が高くなります。

ドタキャンを避けるためのマナーと心構え

・キャンセルが必要な場合は、できるだけ早めに連絡を入れる
・日時が曖昧な予定は予約前に確定させる
・体調不良など急な理由でも、誠実な対応が信頼に繋がります

ドタキャンを防ぐことで、相手の信用やビジネスを守るだけでなく、自分の信頼も守ることができます。

まとめ

ドタキャンは基本的に刑事罰(犯罪)にはなりませんが、内容や意図によっては詐欺罪や業務妨害罪に問われる可能性もゼロではありません。また、民事では損害賠償の対象となることがあり、特に明確な損害が発生している場合は実際に請求されることもあります。

大切なのは「相手への配慮」と「契約意識」。無断キャンセルをしない・早めに連絡するという最低限のマナーを守ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

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