公共のトイレや商業施設内での置き引き・窃盗被害は、被害者の多くが「届け出ても無駄」と思いがちです。特に現金のみが抜き取られ、カード類は残っているような場合、犯人の特定や逮捕のハードルが高いと感じられることが少なくありません。この記事では、都内などの人通りが多いエリアで起きたトイレ内の現金盗難被害について、実際の警察の対応や今後の備え方を解説します。
トイレ内の盗難は「置き引き」扱いになる
トイレの個室に置き忘れたカバンや財布から現金を抜き取られた場合、法律上は「窃盗罪(置き引き)」に該当します。刑法第235条により、他人の財物を無断で取る行為は明確に処罰対象です。
たとえ財布が戻ってきてカードや身分証はそのままでも、現金が抜き取られていれば立派な犯罪です。「証拠がない」「面倒そう」だからといって泣き寝入りする必要はありません。
監視カメラがない場合でも被害届は出せる
トイレ個室内にはプライバシーの観点からカメラは設置されていませんが、トイレの出入口や施設通路、エレベーター周辺などに防犯カメラが設置されている場合が多いです。
実例:「施設内のカメラ映像から、財布を持ち出した人物が特定され、後に警察が任意同行を求めた」というケースも報告されています。映像の保存期間(通常数日~1週間)内であれば、警察が要請すれば施設側が協力してくれる場合もあります。
被害届を出す際の手順と注意点
1. 最寄りの交番または警察署へ出向く(施設内で盗難があった旨を伝える)
2. 財布の特徴や被害状況、時間帯、置き忘れた経緯をできるだけ詳細に伝える
3. 警察による「遺失物届」と「窃盗(置き引き)としての被害届」のどちらを選択するか判断される
現金のみの被害であっても、窃盗としての届出は可能です。ただし、捜査が行われるかはケースバイケースです。
「本当に現金が入っていたのか」と言われる可能性は?
捜査を進める上で、金額や持っていた証拠が曖昧だと「本当に盗まれたか」が問われることがあります。ですが、被害届の受理自体には証明義務は不要であり、「こういう被害があった」と申告するだけで受け付けてもらえます。
ただし、犯人の特定・立件に進めるには客観的証拠(映像・目撃情報・金銭出納記録など)がある方が有利です。
現金のみ盗まれるケースの再発防止策
・貴重品をトイレのフックにかけない(ドアに引っ掛けたまま忘れがち)
・財布の現金は最小限にして持ち歩く
・トイレに入る際はスマホのリマインダーやメモで「荷物持った?」と記録する工夫も
また、商業施設に入る前に自販機のレシートや銀行の出金履歴などを手元に残しておくと、金額の証明がしやすくなります。
まとめ
トイレの個室内で財布から現金だけが盗まれた場合でも、それはれっきとした窃盗犯罪です。「どうせ捜査されないだろう」と諦めずに、まずは被害届を出すことが重要です。
監視カメラや目撃証言、施設側の協力によって犯人が特定される可能性もゼロではありません。今後の被害を防ぐためにも、トイレ内では常に荷物確認を習慣づけましょう。