補導や職務質問などで警察に身分確認を求められた際、安易に偽造された身分証を提示することには重大なリスクが伴います。本記事では、偽造身分証の取扱いや発覚の可能性、そして刑事責任について法的観点から解説します。
警察の身分確認の方法と対応力
警察官は職務質問や補導の場面で、氏名や年齢などの本人確認を行う際、身分証明書の提示を求める権限があります。提示されたものが運転免許証や学生証などであれば、その真偽を照会システムなどで迅速に確認することが可能です。
たとえば、運転免許証番号や住民票情報を通じて、その場で本物かどうかが照合され、少しでも不審があればその場で詳細な確認が取られます。
偽造身分証を提示した場合の罪と処分
偽造した身分証を警察に提示する行為は、有印公文書偽造罪(刑法第155条)または私文書偽造罪(第159条)、偽造公文書行使罪(第158条)に該当する可能性があります。
これらは非常に重い罪で、有印公文書偽造の場合は最高で懲役10年の刑が科されることもあります。単なるいたずらや軽いごまかしのつもりでも、刑事事件として立件される現実的な可能性があります。
実際にバレるケースとは?
現場での発覚例として、次のようなケースがあります。
- 顔写真や生年月日が本人と不一致
- 免許証番号やICチップの照会で登録データが存在しない
- フォントや紙質が本物と異なる
- 過去の前歴との照合で整合性が取れない
近年は全国的に警察の装備や照会体制が強化されており、数分で真偽を見抜かれるケースがほとんどです。
未成年でも処分対象になるのか
未成年者であっても、偽造身分証の提示は「重大な違法行為」と見なされ、補導の対象にとどまらず、児童相談所や少年審判への送致に発展する場合もあります。
特に繰り返し行為や、目的が飲酒・喫煙・深夜徘徊などと結びついていた場合、社会的指導が行われ、保護者への連絡、学校への通知などが行われることもあります。
偽造身分証はどこで入手されているのか
一部のSNSや闇サイトなどでは「偽造免許証」「年齢詐称ID」などが違法に流通していますが、それらを使うこと自体が違法行為であり、所持・使用のいずれも処罰対象となります。
また、購入時の履歴(送金記録ややり取りのメッセージ)も証拠として押収・解析され、余罪が追及されるリスクもあります。
まとめ:偽造身分証は絶対に使ってはいけない
補導や職質の場面で偽の身分証を提示することは、その場しのぎのつもりでも重い刑事責任に直結します。警察は高度な照合技術と豊富な経験を持っており、偽造は高確率で発覚します。
軽い気持ちが人生に大きな影を落とすことにならないよう、絶対に偽造身分証の使用は避けるべきです。正直に対応し、必要であれば専門家(弁護士や保護者)に相談しましょう。