LINEでのやり取りと本名だけでお金を貸した場合の法的対応と回収の可能性

個人間でのお金の貸し借りは、信頼関係のもとに行われることが多いですが、証拠がない状態でトラブルが発生すると法的な対応が難しくなる場合もあります。この記事では、LINEのやり取りと本名しかわからない相手に現金を貸してしまったケースをもとに、法的観点からの回収可能性や取れる手段を解説します。

LINEでのやり取りは証拠になるのか

LINEのトーク履歴は証拠として裁判で採用される可能性があります。ただし、貸金契約の存在や金額、貸し渡しの日時、返済の合意などが確認できる内容である必要があります。

実例:「ありがとう、◯月◯日に必ず返すね」といったやり取りや、金額の記載がある場合、それをスクリーンショットやバックアップで保存しておくことが有効です。

証拠が口頭だけの場合の問題点

証拠が一切ない場合、法的に「貸したこと自体を証明できない」状態になってしまいます。口頭のやり取りのみだと、相手が「借りていない」と主張した場合、立証が困難です。

このような場合は、現金を渡したときの状況証拠(立ち会った人の証言、LINEでやり取りした直後のメッセージなど)を集めることが鍵となります。

LINEのアカウントから開示請求できるのか

LINE社に対してアカウント情報(電話番号や登録メールなど)の開示請求を行うには、裁判所を通じた手続きが必要です。具体的には、相手の特定に必要な情報が明記された発信者情報開示請求を行い、LINE社が保有する情報の提供を求める形になります。

ただし、LINEアカウントのみで個人を完全に特定することは難しく、LINE社が開示する範囲も限られる可能性があるため、現実的にはハードルが高いといえます。

お金の回収を目指すためにできること

1. LINEのトーク履歴を保存(スクショだけでなくPDF出力やバックアップ)
2. 相手の本名からSNSや住所情報などを調査(合法の範囲で)
3. 内容証明郵便を送付(住所が判明している場合)
4. 少額訴訟や調停の検討(法テラスなど無料相談も活用)

補足:相手の本名が分かっていても、住所や連絡先が不明だと裁判を起こすことができません。可能であれば、相手の勤務先や家族、居住地域の情報を探すことが重要になります。

今後のリスク回避のための対策

・貸す際は必ず借用書を作成(簡易なメモでも可)
・LINEやメールで貸し金額・返済日・返済方法などを明記
・現金手渡しではなく、振込履歴が残る銀行振込を利用

トラブルに備えて、信頼関係だけに頼らず、書面やデジタルでの証拠を必ず残すことが大切です。

まとめ

LINEのやり取りと本名しか分からない相手に現金を貸した場合でも、トーク履歴が証拠として使える可能性はあります。しかし、住所や連絡先が特定できなければ法的対応は難しく、LINEアカウントからの情報開示請求にもハードルがあります。

今後同様のトラブルを避けるためにも、貸し借りは必ず記録を残し、相手の身元情報を確認することが重要です。心当たりのある方は、早めに法的な無料相談窓口や専門家に相談しましょう。

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