不動産の相続や名義変更には、複数の手続きと費用が発生します。特に曽祖父から祖父へ、さらに祖父から孫へと財産を移転する場合、相続か贈与かによって費用や手間が大きく異なります。この記事では、土地の名義変更と生前贈与を比較しながら、司法書士に依頼した場合の費用の目安や注意点を解説します。
相続登記とは？まずは曽祖父から祖父への名義変更
相続登記は、不動産の所有者が亡くなった際に、法定相続人に名義を変更する手続きです。2024年4月からは相続登記が義務化されており、怠ると過料が課せられる可能性があります。
曽祖父から祖父へ名義変更する場合、祖父が相続人の1人であっても、他の相続人（例えば兄弟姉妹）全員の同意が必要です。また、相続人が4人の場合、誰がどの割合で相続するかを話し合い、遺産分割協議書を作成する必要があります。
司法書士に依頼する場合の費用感（相続登記）
司法書士報酬の相場は、物件1件あたり約5万〜10万円。加えて、登録免許税が固定資産税評価額の0.4%かかります。例として、評価額が1,000万円の土地であれば、登録免許税は4万円です。
相続人が複数の場合、遺産分割協議書の作成や戸籍の収集代行にも追加で2万〜5万円程度かかることがあります。
生前贈与による名義変更とその費用
祖父からあなたへ名義を移す場合、「贈与」に該当します。この場合、贈与税が発生する可能性があります。年間110万円を超える贈与には高率の贈与税が課され、金額によっては数百万円になることもあります。
また、司法書士による登記費用は、相続登記と同様に5万〜10万円程度。登録免許税は不動産評価額の2.0%と高くなり、相続登記よりコストは大きくなります。
贈与税の計算例と注意点
例えば、不動産の評価額が1,000万円であれば、110万円の基礎控除を差し引いた890万円が課税対象。贈与税率は30%（控除額90万円）となり、約177万円もの贈与税が課されます。
そのため、生前贈与は計画的に行う必要があり、税理士のアドバイスを受けるのが望ましいです。
相続と贈与の費用比較まとめ
| 項目 | 相続登記 | 贈与登記 |
|---|---|---|
| 司法書士報酬 | 5〜10万円 | 5〜10万円 |
| 登録免許税 | 評価額の0.4% | 評価額の2.0% |
| 贈与税 | なし | 課税（110万円超） |
| 追加手数料 | 協議書・戸籍収集など | なし |
相続の方が全体的に費用を抑えやすく、手続きも合理的です。
まとめ：ケースに応じた最適な選択を
土地を祖父からあなたへスムーズに引き継ぐには、まず曽祖父から祖父への相続登記を済ませ、その後、遺言や死因贈与、あるいは生前贈与を含めた計画的な移転を検討するのが現実的です。
費用と税負担を考慮すると、相続をベースに進める方が多くのケースで有利になります。早めに司法書士や税理士に相談し、最善の方法を選びましょう。