交通事故は誰にでも起こりうるものですが、いざ軽い接触事故を起こしてしまったとき、どこに車を停めればよいか迷うことは多いものです。特に片側二車線道路のような交通量の多い場所では、安全と法律の両面から適切な行動が求められます。この記事では、事故後に車をどこに動かしていいのか、どの程度なら許容されるのか、近くに停車場所がない場合の対応について具体的に解説します。
事故現場で最優先すべきは「安全確保」
まず事故を起こした直後に最も重要なのは、自分自身と同乗者、そして他の交通に関わる人たちの安全を確保することです。危険な位置に車両が止まっている場合は、発炎筒や三角表示板を使って後続車に注意を促しましょう。
道路交通法第72条では、事故が発生した際には直ちに車両を停止し、安全を確保する義務があるとされています。しかし、交通の妨げになる場合は、速やかに車両を安全な場所へ移動することも可能です。
どこまでなら動かしても良い?距離の目安と法的根拠
事故車両を現場から移動させる際には「証拠保全」も意識する必要があります。原則として、事故の位置関係や損傷状況を記録した上で車を動かすべきです。スマホで写真を複数方向から撮影しておきましょう。
数十メートル程度の移動であれば、「現場保存義務」に違反するとは見なされないケースが多いです。警察官の到着まで路肩や近くの空きスペースに移動することは、交通の円滑化と安全確保のために推奨されます。
近くのコンビニなどに移動しても良い?
近隣にコンビニやガソリンスタンド、空き地など安全な駐車が可能な場所があれば、そこへ車両を移動させることもできます。ただし、移動距離が長くなるほど現場保存に疑念を持たれる可能性があるため、できる限り近場に留めるのが望ましいです。
その際は「〇〇交差点南側の〇〇コンビニ駐車場に移動します」と事故受付時に警察へ報告しておくと、後のトラブルを防ぐことができます。
停車できる場所がない場合の対応
どうしても路肩が狭くて停車できない場合、非常点滅灯(ハザードランプ)を点けて、後方に三角表示板を設置し、警察やロードサービスの到着を待ちます。
また、助手席や車外に出るのは危険を伴うため、車内で安全を確保しつつ、電話で警察に状況を報告するのが基本です。高速道路や見通しの悪いカーブなどでは、ガードレールの外や退避所などに避難することも重要です。
警察到着前にしておきたいこと
- 相手の連絡先、ナンバー、保険会社の情報を控える
- 双方の車両の損傷状態を撮影
- 事故の状況をメモ(時刻、天候、信号、見通しなど)
これらの情報は、保険会社への連絡や事故処理後のトラブル防止に役立ちます。録音できるなら会話の記録も有効です。
まとめ:安全と法令を意識した冷静な対応を
片側二車線道路で軽い接触事故が起きた際は、安全確保を第一に、短距離であれば安全な場所への移動は許容されるということを覚えておきましょう。近くのコンビニ等に移動する際は写真や連絡を忘れず、状況証拠の保全を徹底してください。
事故直後はパニックになりやすいですが、正しい知識と冷静な判断がトラブルを最小限に抑えるカギとなります。