交通事故後の対応は、警察・保険会社との連携で円満に進むのが基本ですが、まれに相手方の関係者（特にディーラーなど）から直接連絡が来て、想定以上の請求や強い言い回しをされて不安になることがあります。今回は「軽微な追突事故後に相手ディーラーから車両買い替えを主張された」ケースをもとに、適切な対応と注意点を解説します。
軽い接触事故でも車の買い替え要求が通るのか？
法律上、交通事故で発生した損害については「原状回復」が原則です。つまり、壊れた部品や損傷箇所を修理して元の状態に戻すことが基本であり、車両全体の買い替え（全損扱い）はあくまで修理不能なレベルの損害である場合に限られます。
実例：バンパーが軽く凹んだ程度で「車全体を買い替える」と主張するのは法的にも認められにくく、保険会社もそのような請求は却下するのが通常です。
なぜディーラーから直接連絡が来たのか？
相手方が事故後に車を修理に出したディーラーが対応の窓口になることはありますが、本来の交渉相手は被害者本人か保険会社です。加害者に直接電話をかけてきて謝罪を求めたり、高額な請求をほのめかす行為は、不適切または行き過ぎた対応といえます。
もし不安を感じるような発言があった場合は、電話の内容を録音しておくと安心です。
すでに保険会社へ連絡している場合はどうする？
保険会社に事故の一連の流れを報告済みであれば、その後の交渉や対応は保険会社が全面的に担当します。加害者自身がディーラーや相手に対応する必要はありません。
連絡があったことを保険会社に伝え、「以後すべての対応は保険会社を通してください」とディーラーに一言伝えれば問題ありません。
謝罪の連絡をしなかったことは過失になる？
事故後にその場で謝罪し、警察・保険会社への対応も済ませているのであれば、改めて相手に直接謝罪の電話をしなかったことで責任を問われることは基本的にありません。
ただし、誠意を見せる意味で謝罪の意志を保険会社に伝えてもらう、または文書などで伝えることは有効な対応といえるでしょう。
相手の主張が強引な場合はどこに相談すべき？
・まずは担当の保険会社に報告し、すべての対応を任せる
・悪質な言動（脅迫めいた発言など）があれば、警察の相談窓口や消費生活センターへ相談
・必要に応じて、弁護士に対応を依頼することも可能（特に高額請求が続く場合）
警察の相談窓口では、被害届に至らない段階でも相談が可能です。
まとめ
軽い追突事故で車を買い替えるような要求があっても、損害が実際に大きくない限りその請求は通りません。すでに保険会社が対応していれば、加害者が個人的に対応する必要はなく、ディーラーからの連絡には「保険会社を通してください」とだけ伝えて大丈夫です。
不安な場合や過度な要求が続く場合は、録音を含めた記録を取りつつ、警察や専門窓口への相談も検討しましょう。