思春期や未成年の頃、気持ちが不安定な中で思わずついた嘘が、後になって心の重荷になることは少なくありません。特にそれが警察沙汰になるようなものであった場合、「今さら正直に言うべきか」「もう時効なのか」と悩むこともあるでしょう。本記事では、未成年時に虚偽の申告をしてしまった場合の考え方や、時間が経過してから正直に話すべきかどうかについて、実際の例や法的視点も交えて解説します。
未成年のときについた嘘が警察沙汰になるケース
未成年が興奮や混乱の中で「親に殴られた」などと発言し、それが警察に通報されることは現実にあります。児童虐待や暴力の疑いがある発言は、たとえ本人の冗談や誇張だったとしても、警察や児童相談所が対応せざるを得ない性質のものです。
たとえば、学校の教師や通行人がその発言を聞いて通報した場合、警察や児相が保護対応や家庭訪問を行う可能性があります。結果的に嘘だったと判明しても、その場で虚偽申告として処罰されることはほとんどありませんが、誤解による家庭内トラブルや信頼関係の悪化を招くこともあります。
3年経っても警察は覚えている?
基本的に軽微な案件や、解決済みとされた事案について、警察が積極的に調査を続けている可能性は高くありません。特に、虚偽申告が重大事件につながっていなければ、情報はすでにアーカイブまたは処理済みになっている可能性が高いでしょう。
とはいえ、気になるようであれば、当時の交番や管轄の警察署に匿名で問い合わせをして確認することもできます。記録が残っていれば、「もう処理済み」として安心材料になるかもしれません。
虚偽申告を正直に話すメリットとデメリット
今さら正直に話すべきかどうかは、以下のような観点で考えることができます。
- メリット:心の重荷が軽くなる、親や家族との信頼回復のきっかけになる
- デメリット:相手の感情を再び刺激する可能性がある、すでに忘れかけていた問題を蒸し返すリスク
精神的に悩んでいる場合は、カウンセリングや信頼できる大人(教師、スクールカウンセラー、相談機関など)に話してみることで、感情を整理する助けになります。
未成年の行動は「保護」優先で扱われる
法律上、16歳当時の言動は刑事的責任よりも「更生」と「保護」が優先されます。そのため、虚偽の申告があったとしても、それが明確な悪意や事件性のあるものでなければ、処罰されるよりも「教育的指導」として扱われる傾向が強いです。
このことから、過去にそうした経験があっても、社会的に不利になるとは限りませんし、将来の進学や就職にも特別な記録として残ることはありません(補導歴などが残る場合は限定的です)。
気持ちを整理したいなら相談窓口の活用も
自分の中でモヤモヤした気持ちを解消したいと思ったとき、下記のような相談窓口を活用するのも有効です。
- こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)
- 警察庁・こころの相談窓口
- チャイルドライン(18歳までの子ども専用)
匿名での相談も可能なので、「誰かに話したいけど迷惑をかけたくない」と思っている人にも安心して利用できます。
まとめ:過去の過ちは正直さと行動で乗り越えられる
未成年の頃の嘘や誤った行動は、誰にでも起こり得るものです。3年が経った今、あなたが「正直に話した方がいいのか」と悩んでいるということ自体が、すでに誠実な気持ちの表れです。
無理に打ち明ける必要はありませんが、心の中で整理したいと思うなら、信頼できる相手や専門機関に相談してみることをおすすめします。「過去の自分」を責めるのではなく、「これからどう生きるか」を大切に考えていきましょう。