最近、逆走車による重大事故の報道が相次ぎ、ドライバーとしての危機管理意識が問われる場面が増えています。万が一、逆走車に遭遇してしまった場合、私たちはどう行動すべきか、そして被害が発生した場合には法的責任を問うことができるのか、正しく知っておくことが重要です。
逆走車を発見したときの適切な対応
逆走車に遭遇した場合、まずはスピードを落とし、ハザードランプを点灯させて後続車にも危険を知らせることが大切です。可能であれば、安全な路肩や空きスペースに避難し、決して急ハンドルで避けるような行動は取らないようにしましょう。
高速道路などでは、逆走車は「自殺行為」とも言える重大な違反行為であり、最も安全なのは自車を停車させ、車内にとどまって警察に通報することです。
逆走車との正面衝突事故と法的責任
万が一、逆走車と接触してしまった場合、逆走車の運転者には重大な過失責任が生じることになります。道路交通法上、進行方向を逆走する行為は明確な違法行為であり、正規に通行していた側の責任が問われることはほとんどありません。
過去の判例においても、逆走車が100%の過失責任を問われ、損害賠償請求が全面的に認められたケースがあります。損害には、車両の修理費だけでなく、通院費や精神的苦痛に対する慰謝料も含まれます。
逆走車を避けた結果の単独事故でも請求可能?
逆走車を避けようとして縁石やガードレールに衝突してしまった場合、接触がなくても「非接触事故」として損害賠償請求が可能です。ただし、この場合には以下のような証拠が必要不可欠です。
- ドライブレコーダーの映像
- 事故現場の写真
- 第三者の証言(目撃者)
- 警察への届け出と事故証明書の取得
特にドライブレコーダーの映像は、逆走車が原因で事故が発生したことを証明する強力な資料となります。
逆走車への損害賠償請求の実際の流れ
事故後は、まず警察に通報し、事故証明を取得します。その上で、相手方の自動車保険会社へ連絡し、賠償請求の手続きを進めます。加害者が任意保険に加入していない場合、自賠責保険または自身の保険(人身傷害補償特約など)でカバーできるかを確認する必要があります。
法的な交渉に発展する場合には、交通事故に強い弁護士への相談も有効です。無料相談を受け付けている事務所も多く、証拠の整理や請求書の作成までサポートしてくれます。
逆走車との事故を未然に防ぐポイント
事故に遭わないためには、日頃からの予防意識が大切です。特に高速道路では、逆走車が現れる可能性がある場所(出口付近やPA・SAなど)では常に周囲に注意を払いましょう。
また、ドライブレコーダーの設置はもはや必須といえる装備です。前後カメラ付きのモデルを選べば、万が一の際も安心です。
まとめ:逆走車に備える知識と証拠がカギ
逆走車による事故は、被害者の過失が問われることは少なく、証拠をしっかり残しておくことで賠償請求が十分可能です。停車や減速といった冷静な判断とともに、ドライブレコーダーや警察への届け出といった事後の対応が明暗を分けます。
被害に遭わないのが一番ですが、万が一に備えて、正しい知識と備えを持つことが、安全なドライブライフへの第一歩です。