廃墟探索と軽犯罪法:不起訴と起訴の分かれ目はどこにあるのか?

「廃墟探索」は一部の人にとっては趣味や冒険の延長線上にある行為かもしれませんが、法的には慎重さが求められる行動でもあります。特に所有者不明の建物に無断で立ち入った場合、軽犯罪法違反などで処罰の対象となる可能性があります。しかし、実際には不起訴になるケースも多く、その境界線はどこにあるのでしょうか。

軽犯罪法とはどのような法律か?

軽犯罪法は、日常生活における比較的軽微な違反行為を処罰の対象とする法律です。無断立ち入り(住居侵入)や、公共の秩序を乱す行為、虚偽の通報などが含まれます。

廃墟への無断立ち入りは、「正当な理由なく他人の土地や建物に侵入した」としてこの法律が適用される場合があります。所有者が不明でも、建物には管理者が存在する場合が多く、侵入行為はやはり違法となる可能性が高いです。

不起訴と起訴の分かれ目とは?

不起訴となるかどうかは、検察官が総合的に判断します。その主な基準には以下のようなものがあります:

  • 初犯か再犯か(前科の有無)
  • 犯行の動機や悪質性の程度
  • 本人の反省の有無と態度
  • 被害者(または管理者)側の被害届や処罰意思
  • 社会的影響の大小

初犯で反省の意思が明確に示されていれば、不起訴になる可能性は高くなりますが、「99%確実に不起訴」と言えるほど明確なラインがあるわけではありません。

不起訴になった実例とその背景

例えば、趣味として廃墟写真を撮っていた大学生が、管理者不明の旧校舎に無断で立ち入ったケースでは、反省文を提出し、口頭注意と軽微な罰金で不起訴となった事例があります。

一方、同様に廃墟に侵入し、SNSに堂々とその写真を投稿し「炎上」した結果、社会的注目を集めて起訴され、罰金刑となったケースもあります。このように、行為の後の対応や周囲への影響も判断材料になるのです。

軽率な行動が思わぬ刑事リスクを招く可能性

廃墟探索は「誰もいないし、管理されていないから大丈夫」と思いがちですが、建物には必ず所有者や管理責任者がいる可能性があります。また、倒壊や落下物といった安全面のリスクもあります。

たとえ起訴されなくても、警察への事情聴取や記録が残ることで精神的な負担になることは避けられません。

万が一トラブルになった場合の対応法

  • 素直に事実を認め、反省の姿勢を明確に示す
  • 謝罪文を作成し、謝罪の意思を相手方に伝える
  • 弁護士に相談し、今後の対応方針を確認する
  • 二度と同じ行動を取らないことを誓う

これらの行動が、不起訴処分を受けるための重要な要素となることがあります。

まとめ:廃墟探索は自己責任だけでは済まされない

所有者不明の廃墟であっても、無断で立ち入ることには法的リスクが伴います。不起訴になるかどうかは、前歴、反省の度合い、社会的影響などの複合的な要素によって左右されます。

「悪気はなかった」「趣味でやっただけ」という理由では免責されません。好奇心のまま行動する前に、少し立ち止まって法律やマナーについて考えることが、トラブルを避ける第一歩です。

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