ネット通販は便利な一方で、思い違いや説明不足によって誤った商品が届くケースも少なくありません。特に自動車パーツなど専門的な商品では、画像と実物に齟齬があることも。このようなとき、消費者としてどこまで返品交渉が可能なのか、正しいアプローチ方法を詳しく解説します。
画像と異なる商品が届いた場合の法的な立場
ECサイトでの商品購入において、商品画像も「契約内容の一部」として解釈されることがあります。つまり、掲載画像がルーフレール無しの車であるにもかかわらず、実際に届いた商品がルーフレール付き専用であるなら「商品説明に誤解を与える表示」があったと主張できる可能性があります。
特に消費者契約法では、誤認による契約について「取り消し」が可能な場合もあります。返品拒否の規定があっても、事業者側の表示に過失や誤認を誘導するような要素があれば、返品が通る余地はあります。
返品交渉時に主張すべきポイントと交渉例
返品交渉を行う際には、次のような点を主張材料にすると有効です。
- 掲載画像が実際の商品と異なること
- 車種・型番・説明文を十分確認した上で誤認させられた
- 返品不可の条件があっても表示ミスがあるなら特例として扱うべき
例えば、以下のような文面で丁寧に問い合わせをしてみましょう。
「貴社の商品画像に基づきルーフレール無し車用と認識し注文しましたが、届いた商品は適合しませんでした。画像と現物の不一致により誤認した可能性が高く、消費者契約法に照らして返品の再検討をお願いいたします。」
返品不可とされても試せる3つの対応策
店舗側が「返品不可」と強く主張してきた場合でも、以下の手段があります。
- カスタマーサポートを段階的に変える(メール→電話→責任者)
- ECモールを通じて異議申し立て(楽天・Amazonなどの場合)
- 消費生活センターへ相談:法的観点から第三者の助力が得られます
特に公的機関を利用した際は、国民生活センターなどが無料で仲介してくれるため、心理的プレッシャーも有効に働きます。
返品成功の実例:画像違いが決め手に
実際に、ECサイトで「白いシャツ」と記載されていたにも関わらず「生成り(ベージュ)」の商品が届いた例では、画像との違いを証拠として返品に成功した事例があります。このように、「写真と違う」ことを明確に主張できるかが大きなポイントとなります。
届いた商品の写真と、注文時に保存した画像を比較した資料を作ると、交渉は一気に有利になります。
返品不可の条項に惑わされないための注意点
多くのショップが「開封後返品不可」「お客様都合の返品不可」と記載していますが、これは事業者に100%非がない場合に限ります。
つまり、画像との不一致や説明不足による誤購入であれば、たとえ開封済みでも交渉の余地があります。また、記載事項が極端に小さく読みづらい場合も、「重要事項の不提示」として問題になることがあります。
まとめ:泣き寝入りせず、消費者として主張すべきこと
- 商品画像と異なる場合は消費者契約法に基づき返品可能な可能性あり
- 丁寧かつ論理的に返品交渉を重ねる
- 第三者機関(消費生活センター)も積極的に活用する
- 「返品不可」の記載があっても絶対ではない
ネットショッピングでは消費者の情報弱者化が進みやすいからこそ、情報武装して毅然と対応する姿勢が求められます。