近年、SNSやカラオケアプリなどを通じて気軽に交流できる一方で、個人の弱みにつけ込んだ脅迫やリベンジポルノ被害が増えています。とくに未成年や若年層が巻き込まれるケースも多く、「写真を送ってしまった」「ブロックしたのに脅される」といった深刻な悩みが後を絶ちません。この記事では、ネットで出会った相手からの脅迫や性的画像の要求に関するリスク、そして送ってしまった場合の正しい対応について詳しく解説します。
ネットで知り合った相手とのやり取りは要注意
ポケカラやインスタ、X(旧Twitter)などで出会った相手とDMで会話をすること自体は一般的な行為になっていますが、そこに性的な内容や画像の要求が含まれると、一気にリスクが高まります。
たとえば、「ちょっと見せてよ」「みんなやってるよ」と軽いノリで要求されても、それに応じることで相手は優位に立ち、脅迫材料として利用されることがあります。特に一度でも画像を送ってしまうと、相手は「これで逆らえないね」と心理的な支配を試みてくるのです。
性的画像の送信は「脅迫」のきっかけになる
相手に送った画像が性的な内容であった場合、相手が「晒すぞ」「他の人に送るぞ」と脅してくることがあります。これはいわゆるリベンジポルノ(撮影された性的画像等の不正使用)に該当する可能性があります。
実際に、未成年が送った画像が原因で「顔を見せろ」「我慢してる声を送れ」などと脅され、精神的に追い詰められるケースが報告されています。このような行為は刑法上の脅迫罪・強要罪、さらに場合によっては児童ポルノ禁止法違反に該当する可能性があります。
個人情報を出していなくても安心とは限らない
「本名や住所は出していないから大丈夫」と思っていても、相手が特定を試みたり、過去の発言やSNSの情報から身元を推測する可能性はあります。また、匿名性が高いアプリでも、プロフィールや投稿、会話内容から特定につながる情報がにじみ出ている場合があります。
例えば、特定の市区町村のイベントに行った投稿や、制服姿の写真などが鍵になることもあります。したがって、「個人情報を出していない=絶対に安全」とは言い切れないのです。
脅迫されたときに取るべき具体的な行動
もし脅迫を受けた場合は、以下のステップで対応することが重要です。
- やり取りのスクリーンショットや録画を保存(証拠の確保)
- 相手とそれ以上関わらず、ブロック・通報する
- 警察に相談する(最寄りの警察署、またはサイバー犯罪対策課)
- 警察庁のサイバー犯罪相談窓口を利用する
- 法テラスで無料相談を受ける
たとえ自分が画像を送ってしまったとしても、それを脅迫に使う側が法的に悪質であり、責任を問われます。自分を責めるのではなく、早めに専門機関に相談することが重要です。
アカウントを削除しただけでは根本的な解決にはならない
被害に遭った場合、多くの人が「怖くてアカウントを削除した」と言いますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。加害者がスクリーンショットや画像を既に保存している場合、別アカウントから再び接触してくることもあります。
重要なのは、相手の脅迫行為を記録して第三者に相談することです。心理的な不安が強い場合は、こころの健康相談統一ダイヤルや、女性のための相談機関などを利用するのも有効です。
まとめ:被害を受けたらすぐに相談を
性的画像の送信やネット上のやり取りによる脅迫は、どんな人にも起こり得る問題です。「個人情報を出していないから大丈夫」とは限らず、被害が拡大する前に行動することがとても大切です。
自分だけで抱えず、証拠を保存して警察や相談窓口へ連絡を取りましょう。泣き寝入りする必要はありません。あなたの身を守るために、まずは一歩を踏み出してみてください。