近年、SNS広告やネット通販でよく見かける「初回〇円」キャンペーン。しかし、その裏には予期せぬ高額請求が潜んでいることも。今回は、化粧品や健康食品などでよくある“定期購入トラブル”の実例と、その対処法をわかりやすく解説します。
「初回1,980円」→「4万円の請求」になる仕組み
広告には「1,980円で試せる」とあるのに、実際には3回以上の継続購入が必須といった“定期縛り”が設けられているケースが増えています。気づかずに申し込んだ場合、初回以降は高額な本体価格が課金され、途中解約には違約金や残金一括請求が発生することも。
さらに悪質なケースでは、切り替え時の案内が届かず、意図せず別商品や別プランに変更されたという声も。利用者が不利にならないよう、契約内容の明示は法律でも義務づけられています。
定期購入の契約内容を見極めるポイント
- 初回価格の下に「○回以上継続が条件」などの小さな文字がないかを確認
- 「特定商取引法に基づく表記」ページを必ずチェック
- 注文完了前に、解約条件や支払総額が提示されているか確認
このような情報が分かりづらい、または一切表示がない場合は、特商法違反の疑いがあります。
被害に遭ってしまった場合の対応ステップ
すでに高額請求が届いてしまった場合、焦らずに以下の対応を取ることが重要です。
- 商品の受け取り前なら「受取拒否」の意思表示を配達員に伝える
- 「クーリング・オフ」ではなく、特定商取引法に基づく「契約取消」を主張する
- 消費者生活センター(188)に相談し、経緯を詳細に伝える
- 後払い業者には支払い保留の意志を明確に示す
ポイントは、「キャンセルの連絡をした記録(スクショやメール)を残す」ことです。
事業者とのやり取りで気をつける点
多くの被害者が口にするのが「業者とまったく話が通じない」という点。以下のような態度をとられることもあります。
- 「キャンセルできない」の一点張り
- 「それなら違約金を払ってください」
- 問い合わせに対して無視や返信遅延
このような場合でも、毅然とした態度で、書面または記録に残る手段でやり取りすることが肝心です。
法的支援を受けることはできるのか?
警察が動いてくれない、弁護士にも断られた…というのはよくある話です。しかし、国民生活センターや自治体の無料法律相談など、他にも相談先はあります。
さらに、消費者庁の注意喚起や行政処分履歴を調べ、同様の事業者名があれば証拠として使える場合も。
泣き寝入りしないための情報共有と記録の重要性
一人では泣き寝入りになりがちですが、「被害者の会」やSNS上の口コミで情報交換を行い、集団で声を上げることも効果的です。
また、事業者の悪質性を示すためにも、契約時の画面キャプチャ、届いた文書、会話履歴など、できる限りの証拠を保存しておきましょう。
まとめ:法の隙間を突く定期購入商法に要注意
定期購入トラブルは、見た目の安さと曖昧な表現で消費者を誘導する手口です。法的に“グレー”な領域を突いているため、毅然とした態度と証拠の確保が重要です。
困ったときは、消費者生活センター(188)や国民生活センター、自治体の無料相談を活用し、泣き寝入りを避けましょう。