インターネット上には詐欺を目的としたサイトが多数存在し、個人情報の入力を求められることがあります。「偽の電話番号(例:4444や1234)を入力すれば大丈夫では?」と考える方もいるかもしれませんが、その判断には注意が必要です。この記事では、詐欺サイトに偽情報を入力した場合に起こり得ることと、背後にある仕組みを解説します。
詐欺サイトが個人情報を求める理由
詐欺サイトの目的は、個人情報の収集・悪用です。電話番号はその一部に過ぎず、入力された情報は他の情報と照合され、より正確な人物特定に利用される可能性があります。
たとえば、過去の流出データと組み合わせて照合されると、「電話番号は偽物でも、メールアドレスや名前が一致している」といった形で、本人特定が進んでしまうこともあります。
偽の電話番号では意味がない?
「4444」や「0000」のような明らかに偽と分かる番号を入力した場合、詐欺サイトの側で「このユーザーは本気で入力していない」と判断される可能性があります。結果として、ターゲットから外される場合もあります。
しかし、中には自動的に登録情報を収集するスクリプトが走っており、形式的に電話番号のフィールドが埋まっていれば保存してしまうこともあります。つまり、偽の番号を入れてもデータは取られてしまうのです。
詐欺師が偽データから読み取る情報
実は、詐欺師にとって「偽データ」自体も有益な情報になり得ます。たとえば、同じIPアドレスから複数の偽名・偽番号が送られてくれば、「この端末は情報を守る傾向がある」と判断できます。
また、ブラウザの指紋や使用デバイスの情報、アクセス時間などを組み合わせれば、個人が特定される可能性もあります。
実際に入力してしまった場合の対応策
偽情報であっても、詐欺サイトに情報を入力した事実自体がリスクになることがあります。まずは以下のような対応をとりましょう。
- セキュリティソフトでフルスキャンを実施
- 同じデバイスで他の個人情報を扱っていないか確認
- 万が一正しい情報を入力してしまった場合は速やかに警察相談窓口や消費者ホットラインに相談
実例:SNS経由の偽キャンペーンサイト
2023年には、LINEやTikTok経由で「ギフトカード当選」などの偽キャンペーンサイトが出回り、電話番号の入力を促されるケースが急増しました。入力内容がどれほど偽物であっても、アクセス履歴は残され、後日スパムSMSや迷惑電話が届いた事例も報告されています。
つまり、入力内容そのものより「アクセスしたという事実」や「端末情報」が収集対象になっていることが多いのです。
まとめ:偽の電話番号でも安心できない理由
・詐欺サイトは入力されたすべての情報を収集対象とする
・偽の電話番号でも、IPアドレスや端末情報が特定されるリスクがある
・「偽情報だから安心」という考えは危険
今後は、不審なサイトには一切情報を入力しないこと、そして信頼できるセキュリティ対策を施すことが重要です。