車両に乗っていない状況で他車の接触によりケガを負った場合、自身に過失があるのか不安になることもあります。特に駐車場などで突然車が動き出し接触されたケースでは、当事者の証言やドラレコの有無などが争点になることも少なくありません。本記事では、車外にいた際の人身事故における過失割合の考え方や、加害者側の対応、被害者が取るべき行動について詳しく解説します。
車外での事故でも「過失割合」が問題になる理由
車外にいた場合でも、自分に過失が問われるケースはあります。これは「避けることができたか」「事故の予見性があったか」などが評価対象になるからです。
例えば、狭い場所で車が明らかに出ようとしているのを無視して立ち続けた場合や、ドライバーの視界に入りづらい位置で立っていた場合には、わずかながらも被害者に過失が認定される可能性があります。
実例:駐車場内での接触事故とその過失判断
ある女性が自車に薬を置こうと駐車場内で車外に出ていた際、隣に停車中の車が突然動き出し、幅寄せする形で接触され転倒。加害者は一時的に逆ギレしながらその場を離れたが、後に警察での聴取によりドラレコ映像から接触が確認されたというケースがありました。
このケースでは、被害者側に事故の回避義務を問う声も一部ありましたが、そもそも加害車両が動き出すと予見できる状況ではなかったことから、過失が認められるべきかは慎重な判断が必要です。
過失割合を巡る保険会社との交渉の実態
保険会社はしばしば「回避可能性」を理由に、被害者側にも過失があると主張することがあります。これには法的根拠が薄いケースも多く、納得がいかない場合は弁護士への相談が推奨されます。
実際に、事故の証拠として加害者車両のドラレコ映像があるにもかかわらず、2割の過失を認めるよう保険会社から求められることもあるため、専門家の介入が不可欠です。
加害者の対応が示す「非誠実さ」と評価への影響
事故後の加害者の対応も、警察や保険の処理において重要な評価ポイントになります。被害者の訴えを無視し、謝罪もないままその場を離れた場合、責任を軽減される余地は少ないと考えられます。
また、警察への対応や証言の整合性も重要で、事故直後に「接触していない」と虚偽の主張をしていた事実があれば、信用性を損ねる可能性があります。
被害者として取るべき行動と注意点
事故後は速やかに警察への通報と病院での診断を受けることが重要です。その際の診断書や通院履歴が、人身事故として認定されるための根拠となります。
また、加害者の態度や発言内容を記録に残しておくことも有効です。録音やメモ、第三者の証言などがのちの交渉や訴訟に役立つことがあります。
まとめ:自分にできる最善の防衛は「証拠の確保」と「専門家の協力」
車外で被害に遭った場合、たとえ自身が動いていなかったとしても、過失を問われる可能性はゼロではありません。しかし、それを裏付ける証拠がない限り、無理に過失を認める必要はありません。
不当な過失割合を主張された場合には、証拠の提示を求め、弁護士や専門家と連携して冷静に対処することが重要です。事故から時間が経過していても、診断書や警察の記録が有効な証拠となるため、必要な情報を確実に管理しておきましょう。