自分の母親が運転する車で子どもが事故で亡くなった場合、「自賠責保険で慰謝料を請求できるのか」「“混同”によって母の慰謝料が消えるって本当?」といった不安を抱える方も多いでしょう。本記事では、その疑問と向き合い、制度の仕組みや実際の減額イメージ、そして対応策をわかりやすく解説します。
自賠責で“混同”とは?同一の保険請求との関係
自賠責保険は、他人の生命や身体に被害が生じた際に請求する制度で、同乗者であっても請求可能です :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
しかし、母親が加害者で同時に請求者・被害者になって保険金を取ると「加害者と被害者が混同している」と見なされ、母親の慰謝料の請求が認められない可能性があります。
誰が請求できる?同乗者請求の原則と家族優先
事故で亡くなった子どもの自賠責保険請求は、親などの遺族が行います :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
ただし、母親の任意保険は遺族への支払い対象外であることが多いため、自賠責保険で届く範囲が限られ、特に母親自身の慰謝料は対象外となるケースが多いです :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
慰謝料相場と混同での減額イメージ
対象 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
死亡した子ども(本人分) | 400万円一律 | 2000~2500万円程度 |
遺族固有慰謝料(子供の場合) | 父母2名=650万円加算→合計1050万円 | 弁護士基準でさらに高く算定 |
※表は自賠責・弁護士基準の一般相場例です :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
母親が慰謝料請求すると、「請求者=支払者=被害者」の状態になり、自賠責では支払い対象外となるため、実質的に母の請求分は消滅し、残るのは子ども分と遺族分だけになります。
“混同”による減額額は?実例シミュレーション
例:子どもに対し自賠責請求=1050万円(本人+遺族分)に対し母親の慰謝料300万円を追加請求しようとした場合。
→母親分は混同により不可。結果、1050万円のみ支払い、母親は自分の慰謝料300万円が消滅します。
回避策と実務対応
母自身の慰謝料請求を分離し、子ども分は遺族請求として自賠責申請。母の分は任意保険で対応する方法もあります。
任意保険に搭乗者傷害や人身傷害特約があれば、母親の慰謝料もそちらから請求可能です。
制度が複雑なため、専門家への相談がおすすめです。
まとめ
母親が運転する車で子どもが亡くなった場合、自賠責では「混同」により母親自身の慰謝料は支払われず、子ども分と遺族分のみが対象になります。減額イメージは母の分300万円ならそのまま消失。
対策としては、母と子で請求を分離、任意保険の特約利用、弁護士等専門家相談が効果的です。この対応により、被害遺族としても納得のいく補償が得られる可能性が高まります。