自転車での移動中にうっかり停車中の車のサイドミラーに接触してしまった…。そのような場面で、予想外の高額な修理費を請求されて驚く人も少なくありません。この記事では、自転車と車の軽微な接触事故における修理費用の相場や法的責任、正しい対応方法について詳しく解説します。
自転車と車の接触事故は「物損事故」扱い
自転車が車に接触した場合、たとえ軽微であっても法的には「物損事故」に該当します。被害者(この場合は車の所有者)は、修理費用の請求をする権利があります。
一見すると「軽く当たっただけ」と思っても、ミラーの内部に破損やズレが生じていることもあり、外観だけでは判断が難しいため、修理工場での診断結果に基づく請求が行われるケースもあります。
サイドミラーの修理費用の相場はどれくらい?
一般的なサイドミラーの修理費用は、車種や破損の程度によって変動します。例えば。
- 国産車のミラー交換:約2万〜5万円
- 輸入車・高級車のミラー交換:約8万〜15万円以上
黒塗りの大型車や輸入車のサイドミラーには、カメラや自動格納機能、センサーなどの電子部品が内蔵されていることも多く、それにより修理費が10万円を超えることは十分あり得ます。
実際の例では、輸入SUVのサイドミラーを破損したケースで13万8千円の請求があったことも報告されています。
相手が提示してきた金額に納得できない場合の対応
相手から高額な修理代を提示されたとき、まず冷静に以下を確認しましょう。
- 修理工場の見積書があるか
- 実際に部品交換が必要だったのか
- 保険を利用せず実費請求されていないか
不当と思われる請求がある場合は、見積書のコピーをもらい、別の整備工場に相見積もりを依頼するのも有効です。また、第三者の相談窓口(市区町村の消費生活センターや自転車保険の窓口)に相談するのもよいでしょう。
損害賠償は支払わなければならない?
加害者側(自転車側)に過失があると認められれば、民事上の損害賠償責任が発生します。ただし、その金額が妥当かどうかは、破損の程度や相手の見積もり根拠によって異なります。
軽微な接触であっても、ミラー内部のモーターに影響が出ていた場合などは、全交換が必要になることもあります。納得できない場合は、話し合いでの解決が難しければ少額訴訟制度などを活用して法的に争うことも可能です。
自転車保険で修理費用をカバーできるか
近年、加入が義務化されている地域も多い「自転車保険」は、このような事故の備えとして非常に有効です。特に「個人賠償責任補償」がついていれば、被害者への修理費用や損害賠償を保険会社が負担してくれます。
保険に加入していない方も、火災保険や自動車保険に付帯されているケースがあるため、一度ご自身の保険内容を確認してみましょう。
まとめ:高額請求を避けるには初動対応がカギ
自転車と車の接触事故では、見た目以上に修理費用がかさむことがあり、驚くほど高額になるケースもあります。しかし、その請求が妥当であるかどうかは、見積もり内容や状況によって変わるため、記録を残し、見積書の確認、保険会社への相談を行うことが重要です。
今後のためにも自転車保険の加入を検討し、万が一のときに備えておくことをおすすめします。冷静かつ適切な対応が、トラブルを最小限に抑えるカギとなります。