交通事故に遭った後、MRIやCTなどの画像検査では異常が見つからなくても、しびれや痛みが続くケースがあります。こうした場合でも、一定の条件を満たせば「後遺障害等級14級9号」として認定されることがあります。本記事では、その判断基準や認定されやすくするための準備について詳しく解説します。
むちうちの後遺障害14級9号とは?
14級9号は「局部に神経症状を残すもの」として、画像上は異常がなくても症状が持続する場合に該当します。これはむちうち症の患者に多く見られるパターンで、日常生活に支障があるレベルのしびれや痛みが対象になります。
たとえば、首から肩にかけての鈍痛が長期間続き、湿布や薬でも改善しないといった症状が典型的です。
画像初見がなくても認定されるためのポイント
画像所見がない場合、「他覚的所見はないが、症状の一貫性と治療経過の正当性がある」ことが重視されます。以下のような準備が重要です。
- 事故直後から一貫して通院していること
- 医師がカルテに痛み・しびれを記録していること
- 症状が日常生活や仕事に支障をきたしていることの証明
主治医による「後遺障害診断書」も、できるだけ具体的に記載してもらうことが認定のカギです。
後遺障害申請までの流れ
後遺障害の申請には、以下のようなステップがあります。
- 治療を約6か月以上継続
- 症状固定の診断を受ける
- 後遺障害診断書を主治医に依頼
- 自賠責保険会社に申請(被害者請求が可能)
- 自賠責調査事務所による審査
保険会社任せにせず、自分で「被害者請求」を行う方が公平な判断を得やすいこともあります。
実例:画像所見なしで認定されたケース
ある被害者は、追突事故による頸椎捻挫の診断を受け、MRIで異常は見つからなかったものの、6か月以上にわたりしびれと痛みが持続。週2回以上の通院と、就労制限の記録があったことから、14級9号が認定されました。
逆に、通院の間隔があいていたり、症状が一貫していなかったりすると、認定されないケースもあります。
画像初見がない場合の注意点
画像に何も写っていないと「本当に痛いのか?」と疑われがちです。だからこそ、医師の記録や自身の症状メモ、生活への影響を日記形式で残しておくことが効果的です。
また、可能であれば、セカンドオピニオンや専門医の意見を添付することも有効です。
まとめ:諦めず、正しい手順で後遺障害申請を
画像初見がなくても、むちうち症の後遺障害は認定される可能性があります。重要なのは、一貫した治療、具体的な症状の訴え、医師の診断書の精度です。早めに専門知識を持つ行政書士や医療系弁護士に相談するのもおすすめです。
泣き寝入りせず、正当な補償を受けるために、慎重かつ的確な準備を行いましょう。