もらい事故で「お前の過失は0」と言われる一方、判例タイム38に基づき過失割合が出ることもあります。さらに相手が物損は『スルーします』という態度を見せたら、その背景は何でしょうか。本記事では、その意図と対応策を整理します。
“スルー”って具体的に何を意味してるの?
“スルー”とは、示談交渉においてある論点(今回は物損部分)を敢えて交渉から外す姿勢です。この場合、相手側は物損を「問題にしない」「請求しない」意思表示のため、交渉の主軸から外してくる可能性があります。
これは、とにかく人身部分を優先して決着をつけたいという戦略的な段取りです。
相手方の目論見にはどんなものがある?
- 物損を検討材料に加えると交渉が複雑化する → あえて簡単にするために「スルー」の選択。
- 物損部分の過失割合を認めると人身で不利になる恐れ → 人身のみ80 %保証に集中させたい。
- 顔を合わせずに早く終わらせたい → 物損まで含めると時間がかかる。
判例38や法律専門家の見解は?
判例タイム38などの専門書では、事故ケースごとの基本過失割合を示していますが、それは物損・人身関係なく事故の責任分担の基準です:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
物損・人身で別個に検討することも多く、物損をスルーすることで過失判断を有利に導こうとする動きも見られます:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
長期化しているならどう進めるべき?
- 物損と人身をセットで提示要求:示談書に物損も記載させる。
- 必要なら裁判所に両損害の把握を依頼:訴訟段階で過失割合を明確にする。
- 弁護士の強力なサポートを受ける:修正要素を含めた交渉戦略をプロが担当。
実例でみる交渉の流れ
【事例①】弁護士依頼前は「人身80 %、物損スルー」だったが、物損を交渉に加えさせることで最終的に「人身85 %、物損10 %負担増」に修正。
【事例②】交渉が決裂後、家庭裁判所に物損も含む訴訟提起 → 過失割合が明確にされ、有利な判決が出たケースもあります。
まとめ:物損を“スルー”されたら要警戒&戦略的対応を
・「物損スルー」は相手の示談戦略によるもの。
・人身のみ交渉優先し、物損をあえて無視することで人身有利にまとめたい狙いあり。
・交渉を長引かせず公平な償いを得るには、**物損も含めて明示的に示談書に記載**することが重要です。
判断に迷ったら弁護士に相談し、最終的な過失割合や示談内容をしっかり固めましょう。