会社が突然倒産し、賃金の支払いが受けられなくなったときに頼れるのが「未払賃金立替払制度」です。しかし、申請から実際にお金が振り込まれるまでには時間がかかり、「いつ入金されるのか」「進捗が見えない」と不安になる方も少なくありません。本記事では、制度の基本と実際の処理期間、進捗確認の方法などを詳しく解説します。
未払賃金立替払制度とは?
「未払賃金立替払制度」は、事業主が倒産し、労働者に未払い賃金がある場合に、独立行政法人労働者健康安全機構が一定額を立て替えて支払う制度です。
支払対象は原則、退職日の6か月前から倒産日までの間に発生した賃金(最大6か月分)で、年齢に応じた上限があります(例:30歳以上45歳未満は330万円まで)。
支払いまでにかかる日数はどのくらい?
多くの場合、以下のようなスケジュールで進みます。
- 申請書類が機構に到着してから概ね2〜3か月以内に支払い
- 処理件数や不備、書類の確認内容によっては3か月以上かかることもある
例:ある労働者は、4月上旬に申請し、書類が機構に届いたのが5月初旬。実際の振込は7月10日頃で、約2か月強を要しました。
進捗が見えないときに確認すべきこと
「まだ振り込まれない」と感じたときには、次の方法で確認が可能です。
- 申請を依頼した弁護士事務所を通じて、機構への確認を依頼
- 直接、労働者健康安全機構に問い合わせる(受付番号があるとスムーズ)
- 書類に不備があった場合、機構から連絡が来ている可能性も
進捗を確認することで、処理中なのか、補足情報を待っているのかが明確になります。
申請後に起こりがちなトラブルと対処法
– 弁護士経由での申請により、労働者本人に進捗が伝わりづらい
– 住所変更や口座情報ミスで通知が届かない
– 複数名同時申請で処理に時間がかかる
こうしたトラブルを防ぐには、提出書類の控えを保管し、連絡先の変更があれば速やかに伝えることが大切です。
立替払金の振込方法と通知
振込は基本的に、指定口座に対して「労働者健康安全機構」名義で振り込まれます。振込前後に通知書が届く場合もありますが、事務所経由の場合はそちらに送付されることもあります。
例:通知が弁護士事務所に届き、振込はすでに完了していたことに後日気づいたというケースもあるため、通帳の定期確認もおすすめです。
まとめ:未払賃金立替払の入金は2〜3か月が目安、こまめな確認を
– 書類到着から2〜3か月が平均的な振込タイミング
– 弁護士を通した申請は進捗確認がしづらいこともある
– 不安な場合は、機構または弁護士事務所に照会を
– 通帳や郵送物も定期的にチェックしよう
支払いまで不安な期間が続くかもしれませんが、制度としては確実に支給される流れがあります。焦らず、確認と待機を並行して行いましょう。