売れ残ったお米はどこへ行く?量販店で余った米の行方と流通の実態

近年、物価高や供給不足の影響で「米が足りない」「価格が高い」といった声が聞かれる中、スーパーでは売れ残ったお米が積み上がっている光景も見かけます。特に輸入米や古くなった米が手に取られず、賞味期限が迫るケースも。このような売れ残り米は、果たしてどこへ行くのでしょうか?

売れ残り米の主な処理ルートとは

売れ残ったお米が必ずしも廃棄されるとは限りません。流通業者や小売店では様々な対策が講じられています。代表的なルートは以下の通りです。

  • 飲食店や業務用卸への再販売
  • 菓子原料(煎餅・米菓など)への転用
  • 動物飼料用への流通
  • 食品ロス対策企業による買い取り・再流通

たとえば、大手食品会社が引き取ってあられや煎餅用として加工するケースもあり、品質に問題がなければ食用としての価値は維持されます。

米の品質は精米日が重要な目安

店頭に並ぶ米には「精米日」が記載されており、これが古くなると味や香りが劣化します。一般的に精米から1か月〜2か月以内が食味のピークとされており、それを過ぎると売れ行きが鈍ります。

とはいえ、精米から時間が経ったお米でも、正しく保管されていれば安全に食べられるため、業務用などで活用されることもあります。

問屋や中間業者の動きと市場再編

米を扱う問屋は、売れ残った在庫を処分価格で引き取ったり、別ルートで再販したりするネットワークを持っています。中にはB級品として再ラベル化し、ディスカウントストアや通販などで販売されるケースもあります。

また、問屋自身が抱える在庫を他の品種と混合し、業務用ブレンド米として再流通させることも。

福祉施設やフードバンクなどへの提供

売れ残りの食品を有効活用する社会的取り組みも進んでいます。精米後ある程度日数が経っても、まだ食べられる米は福祉団体やフードバンクに寄付され、生活困窮者支援などに活用されることがあります。

一部の自治体では、企業と連携して「フードロス削減」のための仕組みが構築されつつあり、米の再活用もその一環です。

最終手段は飼料・廃棄処分

どうしても消費されず、品質も落ちてしまった米は、飼料メーカーなどに引き取られ、豚や鶏の餌に加工されることがあります。ただし、これには食品としての価値を完全に失っていることが条件です。

また、やむを得ず食品廃棄物として処理される場合もあります。廃棄にはコストがかかるため、企業としても極力避けたい選択肢です。

私たちができる食品ロス削減アクション

消費者側にもできることがあります。例えば、賞味期限が迫ったお米が割安で販売されていたら積極的に購入するなど、フードロス削減に協力する行動が重要です。

また、保存方法を工夫することで、精米後の鮮度を保ち、より長くおいしく食べることができます。密閉容器に入れて冷暗所や冷蔵庫で保存するのがおすすめです。

まとめ:お米の再流通は多様化している

「米が余っているのに足りない」と感じる矛盾は、実際に売れ残った米の再流通や廃棄の状況を知ると少し理解が深まります。食品ロスの問題は流通・販売・消費者すべてが関わる課題であり、誰もができる対策があります。

私たちも日常の買い物で“もったいない”を減らす選択をしていきたいですね。

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