雨の日の通学や通勤時、傘をさして歩いていると予想外に車との距離が近づいてしまうことがあります。特に車道と歩道の境が曖昧な場所では、車のサイドミラーに接触してしまう事故も少なくありません。この記事では、歩行者が車に接触してしまった場合に「修理代を払う必要があるのか？」「保険は使えるのか？」という疑問について、具体的なケースを交えて解説します。
歩行中の接触事故の責任は誰にあるのか？
基本的に交通事故では過失割合が重要なポイントになります。歩行者がわざと車にぶつかったようなケースでない限り、車両側の責任が重くなる傾向があります。道路交通法では、自動車は常に歩行者を優先し、安全に配慮しなければならないと定められているためです。
たとえば、歩道が狭い道路で車が歩道に寄って走ってきた場合、車側に過失があると判断される可能性が高いです。つまり、サイドミラーが壊れた場合でも歩行者が修理代を払う必要があるとは限りません。
歩行者側に過失があるとされた場合
ただし、傘を横に大きく広げていたなど、歩行者側にも一定の注意義務違反があったと判断された場合には、過失割合が問われることもあります。
このような場合でも、歩行者が全額負担することはまれで、過失相殺によって数割だけ負担が求められるような判断になることが多いです。
学生でも責任は生じるのか？
未成年である中高生や大学生であっても、民事上の責任を問われることはあります。しかし、多くの場合は監督義務者である親が支払責任を負う形になります。
ただし、明らかに事故に対して責任がない場合や、相手の車の運転が原因である場合は、こちらが損害賠償を請求できるケースもあるため、一方的に支払いに応じる必要はありません。
加入している保険で対応できる可能性
歩行者が加入している保険（または親の保険）の中で、個人賠償責任保険が付帯されている場合には、こういった日常生活での賠償事故にも対応可能です。
たとえば、自転車保険や火災保険、学資保険などに特約としてついていることもあるため、一度保険証券を確認してみましょう。
事故の後の対応と連絡すべき先
今回のように接触してしまった場合は、相手の車のナンバーや状況を記録し、必要に応じて警察に報告しておくことが重要です。
また、相手から修理代を請求された場合には、その場で安易に応じず、一度親や保険会社、または弁護士に相談することが推奨されます。
まとめ：冷静な対処が最も大切
サイドミラーに接触してしまったとしても、必ずしもあなたに全責任があるとは限りません。まずは事故の状況を整理し、適切に連絡・相談を行うことが大切です。
加入している保険を確認すること、相手からの請求があった場合は記録を残しておくことを忘れず、冷静に対応しましょう。多くのケースで、歩行者側の過失は限定的です。