まつ毛パーマの施術は繊細で、お客様の目元というデリケートな部分を扱う以上、使用する薬剤の品質は非常に重要です。今回は、いつもと同じ商材屋から仕入れたはずの2液に異変があった場合に、どのように対応し、どうリスクを管理すべきかを解説します。
薬剤トラブルが発覚したときにまずすべきこと
まず最初に行うべきは、異常に気づいた時点で即座に使用を中止し、異常があった商材のロット番号や開封日を記録することです。続けて、可能であれば自身の髪の毛やまつ毛でテストし、軟化の程度などを確認すると客観的な判断材料になります。
今回のように商材屋に問い合わせたにもかかわらず「考えられない」と一蹴された場合、メールややり取りの記録を必ず保存しておくことが重要です。
お客様への対応:誠意と丁寧な説明が鍵
一番のポイントは、お客様に対して誠実に状況を説明し、謝罪とともに迅速な対応を行うことです。返金はもちろん、希望があれば目元用のトリートメントやケア用品の提供なども検討しましょう。
たとえば「毛の傷みが気になる」という方には、まつ毛美容液(D-UPなど)の購入代金を補償する形も選択肢の一つです。
商材屋との交渉において押さえるべきポイント
商材屋から「新しい薬剤と返信用封筒を送る」との連絡があった場合でも、すべてを返送せずに一部は証拠として手元に保管しておくのは適切な判断です。可能であれば、写真や動画で薬剤の状態を記録しておきましょう。
返金・交換だけでなく、お客様への謝罪や再発防止策の提示を求めることは妥当です。「責任の所在を明確にすること」と「業務上の信用の回復」は、プロとして譲れない部分です。
法的視点から見た安全対策と記録の重要性
万一、トラブルが拡大し消費者被害として扱われた場合に備え、施術履歴、使用薬剤の管理記録、事後の対応内容はすべて文書で保存しておくことが法的リスクを避ける鍵となります。
「使用薬剤に異常があったにもかかわらず継続使用した」と受け取られないためにも、初動対応の正確さはとても重要です。
今後に向けた再発防止策
- 薬剤納品時に開封前の確認(ロット・外観・テクスチャー)をルーチン化
- 自店舗内に品質トラブル報告用の記録フォーマットを作成
- 同業者ネットワークで同様のトラブル事例がないか情報共有
- 新しい薬剤を導入する際は必ずモデルテストを行う
特に個人事業でサロン運営している方は、万一のリスクに備えた顧客対応マニュアルを作成しておくことで信頼性が高まります。
まとめ:信頼を守るための対応を誠実に
まつ毛パーマの施術者として、お客様の安全と満足を守るためには、万一の薬剤トラブルにも冷静かつ迅速に対応することが求められます。
今回のような状況では、お客様への配慮、商材屋との交渉、証拠保全、記録管理の4点が重要な柱です。常に最悪を想定しながらも、誠意ある対応を心がけることで、信頼とブランドを守ることができるのです。