オフィスビル内の他フロアに無断で立ち入ると建造物侵入罪になる?法律と実例から解説

オフィスビルで働く中で、他のフロアに用もなく立ち入ってしまうことがあるかもしれません。一見些細な行動に思えるかもしれませんが、それが法律上どのように評価されるかをご存知でしょうか?この記事では、刑法上の建造物侵入罪に関連して、会社が入居しているビル内での行動がどのような法的リスクを伴うのかを詳しく解説します。

建造物侵入罪とは何か?

建造物侵入罪は、正当な理由なく建物などに侵入することを処罰する刑法第130条に規定された犯罪です。主に、管理者の意思に反して侵入した場合に成立します。

例としては、無断で他人の家に入る、立ち入り禁止の場所に侵入する、または退去を命じられた後も居座るといった行為がこれに該当します。

自社が入居するビルで他フロアに立ち入った場合

一見「同じビル内だから問題ない」と考えがちですが、ビルの他フロア=別のテナントが賃借・管理している空間である場合、そのフロアには「勝手に入ってはいけない」ルールが適用されます。

特に、オートロックや入退室管理があるフロアに、目的なく無断で入る行為は、管理権者の意思に反していると判断される可能性が高くなります。

過去の判例と行政の見解

判例では、用事もなくビルの一室に立ち入っただけで建造物侵入罪が成立した例も存在します。一方で、状況次第では「悪意のない行動」と判断され、不起訴となる場合もあります。

つまり、故意性立ち入りの目的・態様が大きな判断要素になります。

社内での注意喚起とリスク対策

フロア間の移動が自由なビルであっても、業務に関係ない立ち入りは控えるように社内で周知徹底することが重要です。セキュリティ対策が強化されている施設では、監視カメラやICカードの記録により簡単に特定され、問題が拡大するおそれもあります。

また、ビル管理会社やフロアの入居者に不用意な不安を与えることも、企業イメージに悪影響を及ぼしかねません。

まとめ:ビル内でも「他人の空間」と認識を持つことが大切

自分の会社が入っているビルだからといって、他のフロアに無断で立ち入ることは建造物侵入罪に問われる可能性があります。たとえ悪意がなくても、法的・社会的なリスクを避けるためには、「立ち入る必要があるか」「許可を得ているか」を常に意識しましょう。

日頃の行動が、思わぬトラブルや法的責任を招くこともあることを忘れずに、節度を持った行動を心がけることが重要です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール