盗撮犯をYouTuberが追跡・連行して交番に連れて行く動画が話題ですが、このプロセスは法律上「自首」と言えるのでしょうか?本記事では、自首の要件や捜査機関による把握のタイミングを整理しつつ、実際のケースに沿って解説します。
刑法で定義される「自首」とは何か
刑法第42条では、自首は「捜査機関に発覚する前に、自ら犯罪事実を申告して処分を求める行為」と定義されています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
そのため、警察がまだ犯人を特定していない段階で自発的に申し出る必要があり、後述の“任意出頭”とは明確に区別されます。
「任意出頭」と「自首」の法的違い
任意出頭とは、捜査機関が既に犯人や事件を把握している中で犯人が出向く行為を指し、自首ではありません:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
この場合、刑法上の減軽規定(自首の減刑)は適用されず、通常の処分となります。ただし、情状として考慮される余地はあります。
具体例:YouTuberが先に通報していた場合
もしYouTuberの動画や通報により警察が犯人を認識していた後に交番へ行くと、それは任意出頭扱いであり、罪が軽くなる「自首」には該当しません。
YouTuberによる連行に“自首”の要素はあるか?
実際に、YouTuberによる捕捉が「自発的申告」とみなされる可能性は低いです。というのも、本人の意思より外部から誘導された形であり、捜査機関に発覚する前には当てはまりにくいためです。
要するに、交番へ連れて行かれるのは“自首”ではなく、むしろ警察への引き渡し行為に近く、法上の自首には該当しにくいと言えます。
仮に“自首”とされるケースとは?
犯人が逃走中、自ら捜査機関に駆け込んで「自分が盗撮しました」と認めるケースでは、刑法42条の自首に該当します。
この場合、減刑規定が適用されるため、罰則が軽くなる可能性があります:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
自首成立の4要件を振り返ろう
- ①自発的に犯罪事実を告白している
- ②訴追・処分を求めている
- ③司法警察員や検察官に申告している
- ④捜査機関が事件や犯人を把握する前である
この4要件がクリアされて初めて「法律上の自首」となります:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
まとめ:YouTuber連行は“自首”ではない可能性大
駅や商業施設で盗撮犯をYouTuberが拘束し交番へ連れて行く行為は、多くの場合「任意出頭」に近く、刑法が想定する“自首”には該当しません。
真の“自首”を狙うなら、捜査機関が犯人を把握する前に、自ら警察に出向いて認める必要があります。
自首の成立には要件があるため、動画のような形での連行が自動的に「自首」になるわけではない点に注意しましょう。