車両保険は本当に必要?もらい事故や全損時の補償との違いと加入の判断基準

車両保険は任意加入ですが、実際のところ「本当に必要なのか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。特に、過失がゼロのもらい事故や、相手が保険に加入している場合、「こちらの保険は使わなくていいのでは?」という疑問も生まれます。本記事では、もらい事故・全損・弁護士特約の活用などの視点から、車両保険のメリット・デメリットを整理し、加入の判断基準を詳しく解説します。

車両保険の基本的な役割とは?

車両保険とは、自分の車に対しての損害を補償する保険です。自損事故や当て逃げ、自然災害、いたずらによる損傷など、相手がいない・特定できない場合でも保険金を請求できるのが最大の特徴です。

たとえば、台風で飛来物が車に当たったケースや、駐車中に当て逃げされたが犯人不明という状況でも、車両保険に加入していれば修理費をカバーできます。

もらい事故(10:0)では車両保険は不要?

過失割合が10:0で、完全なもらい事故であれば、基本的には相手の保険会社が全額負担します。しかし現実には、以下のようなケースも少なくありません。

  • 相手が任意保険未加入
  • 相手の保険会社が対応を渋る
  • 修理費に時間がかかり生活に支障が出る

このような場合、車両保険に加入していれば、まず自分の保険で修理を進めることができ、その後に相手側へ保険会社が代位請求する流れで早期解決が期待できます。

相手が保険加入済み・全損時でも油断できない

全損と判定された場合、相手の保険から「時価額」が支払われます。ここで注意が必要なのが市場価格=時価額ではない点です。中古車サイトで400万円の価値がつく車でも、保険会社の査定では300万円とされることもあります。

弁護士特約を使って交渉することもできますが、それでも保険会社の支払い基準がベースになるため、満額補償が受けられるとは限りません。この差を埋める手段として、車両保険に時価額以上の設定が可能な「新価特約」などを活用する方法もあります。

車両保険のデメリット:保険料と等級ダウン

当然ながら、車両保険に加入すれば保険料は高くなります。また、自分の過失がある事故で車両保険を使うと、翌年の等級が3等級下がり、保険料も大きく上がることがあります。

「使うと損」と言われるゆえんはここにあり、軽微な損傷であれば自腹で直す選択をする方も少なくありません。

弁護士特約の併用が最強の組み合わせ

車両保険とセットで検討したいのが「弁護士特約」です。相手との交渉をプロに任せることができ、保険会社が介入できない10:0事故でも心強い存在です。

例えば、相手が支払いを渋る、示談が進まない場合でも、弁護士が介入することでスムーズに進むことが多く、精神的な負担も大きく軽減されます。

まとめ:車両保険は「保険」らしい保険

もらい事故や全損で「車両保険はいらないのでは?」と思われがちですが、予想外のトラブルや相手の対応次第で大きな支えになるのが車両保険の本質です。

保険料とのバランスを見ながら、新車購入時やローン返済中、高額車両の所有者には特に加入を検討する価値が高いといえます。最終的には、自分のリスク許容度と生活環境に合わせて、慎重に判断しましょう。

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