定期券を不正に使って大額の運賃を請求されるケースが増えていますが、仮に88万円もの請求があった場合、自己破産で支払い義務から逃れられるのでしょうか。今回は実例を交えつつ、法的仕組みと対応策を解説します。
不正乗車の請求が「88万円」に膨らむ理由
不正乗車が発覚した場合、鉄道会社は未払いの正規運賃とそれに上乗せされる〈増運賃〉を請求します。過去の事例では、継続的な不正利用と認定され、合計で88万円になるケースも報告されています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
たとえ「間違って借りただけ」と主張しても、繰り返し行われていれば〈故意〉や〈重過失〉と判断され、不正とみなされます:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
自己破産で免責される債務・されない債務
自己破産ほとんどの借金を帳消しにできますが、不法行為などで生じた損害賠償は「非免責債権」とされ、免責されません:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
故意・重過失による行為、たとえば故意に不正乗車を行ったと認定されれば、自己破産しても88万円の支払い義務は消えず、返済は続きます:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
過去例に学ぶ:88万円請求と自己破産の関係
Q&Aサイトでは、88万円の請求は「常習的不正乗車によるもの」と鉄道会社が判断した結果と説明されています。そのため、過失を主張する余地はなく、自己破産でも免れないとされています:contentReference[oaicite:4]{index=4}。
また、意図的でなくても「重過失」による不法行為と判断されれば、同様に非免責債権に該当します:contentReference[oaicite:5]{index=5}。
非免責債権の具体例と法的根拠
債権種類 | 自己破産で免責される? |
---|---|
故意・重過失の不法行為(損害賠償) | ×(非免責) |
税金・罰金 | ×(非免責) |
生活費など一般の借金 | 〇(免責対象) |
法律では、故意または重過失によって他人に損害を与えた場合の債務は、破産しても免責されないと明記されています:contentReference[oaicite:6]{index=6}。
請求逃れはできる?現実的な債務整理の方法
確かに、請求されたまま放置すれば現金がない限り強制執行も困難ですが、給与の差し押さえなどで一部回収は可能です:contentReference[oaicite:7]{index=7}。
根本的な解決策としては、任意整理や分割払い、または弁護士を通じた交渉による金額軽減が考えられます。
自己破産を検討する前に知っておきたい注意点
自己破産の手続きには、財産の大部分を処分される可能性や信用情報に記録が残るなどのデメリットがあります:contentReference[oaicite:8]{index=8}。
さらに、非免責債権は免責されないため、88万円に該当する請求は自己破産後も残り、返済義務が続きます。
まとめ:故意と認定されれば自己破産でも責任は消えない
不正乗車による88万円の請求は、「故意」または「重過失」として認定されるため、自己破産では免責されません。
逃げ続けるよりも、専門家に相談し、任意整理や分割払いなどの現実的な方策を検討することが最善策です。