近年、人気ゲームの新作や未公開情報が発売前にインターネット上で「リーク」されることが増えています。YouTubeやX(旧Twitter)、コメント欄でその情報が共有される光景も日常的になりましたが、こうした行為に法的なリスクはないのでしょうか?この記事では、ゲームのリーク情報の取り扱いについて、著作権や不正競争防止法の観点から解説します。
リーク情報とは何か?|公式発表前の情報の扱い
「リーク情報」とは、本来公表されていない機密情報や未公開コンテンツが、内部者や関係者などから外部へ漏洩することを指します。例えば、開発中のゲーム映像、発売日、未発表の新機能などが該当します。
本来は企業の管理下にあるべき情報であり、勝手に公表されるとその企業に損害が生じることがあります。そのため、内部からのリークは契約違反や法的責任の対象になりうるのです。
リークされた情報を拡散するのは違法か?
基本的に、すでにSNSや動画サイトに出回っているリーク情報を「見た」り「話す」こと自体が即座に違法になるわけではありません。ただし、その情報の内容や拡散方法によってはリスクが高まります。
たとえば、リークされたスクリーンショットや動画を自分の動画に取り込んで収益化する行為は、著作権侵害に該当する可能性が高く、通報・削除・損害賠償請求の対象になることもあります。
著作権侵害と不正競争防止法|実例をもとに解説
リークされた画像や音声は著作物であることが多く、無断使用・転載は明確な著作権侵害になります。また、企業秘密として保護されていた情報がリークされ、それを用いて利益を得た場合には「不正競争防止法」に触れる恐れもあります。
実際、ある大手ゲームメーカーは発売前の映像がリークされた事件で、情報を漏洩した関係者を訴え、また転載したサイトに対して削除請求を行いました。このような流れは今後も強化されていくと考えられます。
SNSやコメント欄での注意点
「〇〇の新キャラ出るらしいよ!」「〇〇は実はこうなる」など、噂や未確認情報であっても、あたかも事実のようにコメントすることでトラブルになることがあります。特に企業の名誉を傷つけるような内容を投稿すると、名誉毀損や信用毀損のリスクもあります。
また、情報源が違法な入手方法(ハッキングや盗撮など)であった場合、それを認識していて拡散すると「共犯的責任」が問われる可能性もゼロではありません。
健全なファン活動のためにできること
最新情報を早く知りたいというファン心理は当然ですが、情報の信頼性を確認し、公式情報を優先して取り扱うことが大切です。ファンとして応援するのであれば、企業や開発チームが公開したタイミングで正しい情報を楽しむ姿勢を大切にしましょう。
また、動画配信者やブロガーの場合は、収益化や拡散力を持つ分、より慎重な情報管理が求められます。
まとめ|リーク情報は「見る」だけでも影響あり?慎重な取り扱いを
リーク情報を拡散すること自体が必ずしも犯罪になるとは限りませんが、著作権や不正競争防止法、名誉毀損などの観点からリスクがあるのも事実です。特に収益化しているYouTubeやブログでは、内容次第で法的措置の対象にもなり得ます。
ゲームファンとして正しい情報リテラシーを持ち、健全な情報の取り扱いと応援の形を意識していくことが、長期的には業界全体の発展にもつながります。